宴会等需要回復も、遅い時間の集客弱い 外食産業市場動向調査3月度2023年4月26日
日本フードサービス協会は4月25日、協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査の2023年3月度の集計結果を発表した。3月の外食全体の売上は前年同月比118.8%、2019年比でも101.5%。コロナ規制緩和の動きの中、宴会などの需要は回復しているが、遅い時間の集客が弱い傾向がみられる。
3月の外食全体の売上は前年同月比118.8%、2019年比でも101.5%となった。好調の要因は主に歓送迎会や春休みのシーズンで個人や家族客、中小宴会が増加したため。一方で、大規模宴会や夜遅い時間帯の集客はまだまだ弱い。
業態別はファストフード(FF)の全体売上は110.9%、2019年対比は113.2%となった。「洋風」は、コロナ全盛期ほどの伸び率ではないが引き続き堅調に推移し、売上108.6%。「和風」は、消費意欲の高まりが売り上げを押し上げ112.8%。「麺類」も、値上がり基調が消費者に浸透し売上119.2%となった。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、年度の変わり目の歓送迎やWBC観戦などでテイクアウト需要が増え、売上108.4%となった。「その他」は、人流の回復とともに、「アイスクリーム」が引き続き再来店を促すクーポンを配布するなどで客数が増加、売上115.2%となった。
ファミリーレストラン業態(FR)の全体売上は前年比126.2%、2019年比では93.3%。年明けからの堅調な流れとともに、コロナ規制の大幅緩和で春休みの家族客が増え、「洋風」は売上124.6%、「和風」は売上125.3%。「中華」は、消費の回復促進を目指したキャンぺーンを展開するなどで、売上120.4%。「焼き肉」は、春休み・卒業シーズンで団体客が戻り、売上は139.7%と大幅に増加した。
パブ・居酒屋業態は、酒類の提供制限という"足かせ"がはずれて以来、個人客やインバウンド需要の堅調が続き、送迎会シーズンの中小宴会が回復傾向で、売上は189.4%に跳ね上がった。しかし、コロナ前のような大規模宴会は戻りが鈍く、二次会需要もほぼ見られず、店舗数自体もコロナ前の70%弱にとどまり、2019年比では売上64.5%となっている。
ディナーレストラン業態は、中規模の歓送迎会およびインバウンド客と個人客の増加が売上と客単価を下支えし、売上は136.2%。大口の法人利用はまだ期待できず、19年比では売上89.1%となっている。
喫茶業態は、マスクの着用が個人判断に委ねられるなど、コロナの規制緩和が一段と進み、客足は回復傾向で売上は127.5%となった。
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