アレルギー低減卵の安全性確認 広島大と共同研究 キユーピー2023年4月27日
キユーピーは4月26日、広島大と共同研究をし、食物アレルギーの原因とされるたんぱく質「オボムコイド」が含まれない鶏卵を開発、その安全性が世界で初めて確認されたと発表した。研究成果に関する論文が学術誌「Food and Chemical Toxicology」2023年5月号に掲載されることになった。
オボムコイドを含まない鶏卵の作出方法(キユーピー提供)
広島大が独自に開発したゲノム編集の技術を活用し、鶏の受精卵のオボムコイド遺伝子の動きを止めた。そこから孵化した鶏が成長し、交配・産卵することで卵を作出した。
作出された卵を、広島大を中心に研究・解析した結果、オボムコイドも副産物も含まれていないことが証明され、またゲノム編集による別な遺伝子の挿入や他の遺伝子への影響も全くないことが確認された。
加熱によるタンパク質の変化の違い(キユーピー提供)
鶏卵のアレルギー物質とされる、卵白に含まれるタンパク質は複数あるが、オボムコイドは熱にも消化酵素にも強いため、加熱調理や消化酵素を用いた加工をしても、アレルギーをひき起こす性質が残っていた。そこでキユーピーは2013年から広島大とオボムコイドを取り除くための基礎研究を続け、2020年にはオボムコイドを含まないアレルギー低減卵のラボレベルでの作出に成功していた。
今後はアレルギー卵の実用化に向けて、相模原病院(相模原市)などと共同で研究を進め、血清試験、患者による喫食試験を行い有効性を確認する。また卵と同様の「凝固性」「起泡性」「乳化性」があるかなどを調べ、さまざまな食品に利用できるかどうかなど、さらなる研究を進めていく。
食物アレルギーの症状を持つ人の割合は子供が多く、原因食物の第1位は鶏卵だ。キユーピーは卵アレルギーで苦しむ人を「ゼロ」にしたいという思いで、さまざまな取り組みを進めている。
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