2024年問題対応 物流革新の「政策パッケージ」着手可能なものから迅速に 政府の物流検討会2023年6月16日
トラックの運転手不足が懸念される、いわゆる「物流の2024年問題」などへの対応を議論している経産省や農水省などの検討会(座長・根本敏則敬愛大学教授 )が6月16日開かれ、改めて最終とりまとめ案が示された。持続可能な物流に向けて荷主企業や消費者の意識改革などを打ち出すとともに、政府がまとめた物流革新への政策パッケージは検討会と方向性が一致しているとして、着手可能な政策から迅速に取り組むことが重要だと指摘した。
最終とりまとめ案では、2024年問題の影響について、不足する輸送能力の割合が「農産・水産品出荷団体」で32.5%に上るとの試算が示されるなど、物流が危機的な状況にあることを指摘し、持続可能な物流の実現のために取り組むべき政策として、▽荷主企業や消費者の意識改革▽物流プロセスの課題の解決▽物流標準化・効率化の推進に向けた環境整備の3つを柱が示された。
荷主企業や消費者の意識改革については、荷主企業・物流事業者の物流改善の取組を評価する仕組みの創設や、経営者層の意識改革を促す措置などが盛り込まれた。
また、物流プロセスの課題解決については、待機時間や荷役時間など労働時間の削減に向けて、各事業者が連携・協働した取り組みを進めるとともに、多重下請構造を是正する適正な運賃確保につながる運送体制台帳の作成や、物流コストの見える化の推進などを求めている。
さらに物流標準化・効率化の推進に向けた環境整備としては、デジタル技術を活用した共同輸配送などの検討や、輸送能力の不足が指摘されている農産品の輸送や集出荷拠点の機能強化などが強調された。
こうした政策の方向性を示すとともに、最終とりまとめ案では、政府が今月公表した「物流革新に向けた政策パッケージ」について、「検討会の議論の方向性と軌を一にしている」と言及し、迅速に着手可能なものや、物流全体へのインパクトの大きな領域から取り組んでいくことが重要だと指摘した。
最終とりまとめ案は、今後、根本座長と事務方が文言を修正し、パブリックコメントを経て最終的に決定される。
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