遮断蒸発が下流に及ぼす影響を評価 森林に特徴的な現象が洪水を左右 森林総合研究所2023年7月6日
森林研究・整備機構森林総合研究所、東京大学、静岡大学の研究グループは、森林に特徴的な遮断蒸発と呼ばれる現象が洪水時の水流出を減らし得ることを明らかにした。
図. 森林流域における水循環の模式図(左)、
比例型および貯留型の遮断蒸発モデルの概念図(右上段)
ならびに遮断蒸発モデルの仮定の差に伴う流出予測の変化(右下段)
遮断蒸発は森林に降った雨が樹木に遮られ、地面に到達せずに蒸発する現象。日本の森林では降ってくる雨の10~30%程度が遮断蒸発として失われる。そうした中で、遮断蒸発が森林流域からの水流出を予測する際にどのように、どれほど影響するのかよく分かっていなかった。そこで、新たに開発した遮断蒸発モデルを流出予測モデルへ組み込み、遮断蒸発の推定方法の違いが流出予測に及ぼす影響を検討するとともに、推定方法の妥当性について試験流域における観測データを利用して検証した。その結果、洪水時の日流出量の再現性が良いのは遮断蒸発が降雨に比例して増加し続ける場合であることがわかった。このことは遮断蒸発が洪水時の水流出の減少につながることを示すと考えられる。
また、今後の遮断蒸発に関する研究の進展によって森林がもつ洪水緩和機能の評価技術を高められることがわかった。こうした技術は洪水リスク評価の高度化にも繋がる。
同研究成果は、6月21日に『Journal of Hydrology』誌でオンライン公開された。
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