日本酒の輸出価格10年で2倍以上に 海外での高値取引傾向 地域別戦略の策定が奏功2023年7月12日
ポストコロナで経済活動が再開され、海外で日本食レストランの営業が再開したこともあり、日本産酒類の需要が拡大している。特に原料に国産米を使用する日本酒は、この10年間で国内価格の2倍以上で取引されており、農林水産物・食品の輸出拡大を推進する農水省も、この高値取引傾向に注目している。
米国コロラド州アスペンで開催された試飲会で賑わう日本酒ブース
農水省は、輸出向け農産品の振興を図るべく、具体的な事例を紹介しながら輸出産地づくりを支援している。同省がまとめた農林水産物・食品輸出上位20品目の2012年から2022年までの10年間の動向をみると、1位は1,392億円のアルコール飲料(伸び率674%)で断トツ。うち日本酒が475億円(531%)。2位は911億円のホタテ貝(482%)、3位は520億円の牛肉(1027%)。このほか伸び率が高いのは9位(219億円)の緑茶(433%)、13位(187億円)のりんご(565%)など。こうした中、同省では輸出向け農産品の高値取引傾向の筆頭に日本酒を紹介。
日本酒の業界団体である日本酒造組合中央会によると、日本酒の海外輸出は好調で2022年の輸出通関実績(貿易統計)は数量・金額とも過去最高を更新。2022年の1Lあたりの日本酒の輸出価格(FOB単価)は1,323円となり、2012年の633円から、この10年間で2倍以上に上昇。海外では国内出荷価格より高い価格で取引されており、現在、日本酒の輸出金額は国内出荷金額の1割を超える。
ポストコロナで経済活動が再開され、日本食レストランの営業が再開したことや、日本酒の冷蔵輸送の管理方法が普及しつつあり、品質が保持された状態で流通可能になったこと等が輸出拡大に影響。また、日本食レストラン以外でも日本酒が高級酒として受け入れられる市場が形成されつつあることが寄与しており、今後の輸出促進策のロールモデルになると位置づけされている。
日本酒は2020年に政府の輸出重点項目に設定(2025年に輸出目標600億円)され、昨年12月に同会は認定農林水産物・食品輸出促進団体の認定を受けた。これに先立ち2014年9月30日に、流通関係者と共に日本酒輸出協議会を設立。国・地域を重点化し、それぞれの浸透度、地域特性を加味し、地域別戦略の策定・共有などを図っている。為替レートが追い風になっている面もあるが、こうした10年間の地道な取り組みの成果が高値取引傾向につながっているといえそうだ。一方、中国に次いで輸出相手国2位の米国では、コンテナ不足や物流運賃の高騰、飲食店での人手不足などから値上げに踏み切るケースもあり、輸出にブレーキをかけている面もある。
富裕層へのターゲット化が単価アップに
こうした中、6月には米国の高級リゾート地として知られるコロラド州アスペンで富裕層向けの試飲会が開かれ、同会も日本酒提供のブースを出展。「蔵元と一緒になった草の根的な日本酒の啓蒙活動で裾野が広がっている。今回のように富裕層をターゲットにすることで単価アップにつながっている面もある」と同会海外業務部アシスタントゼネラルマネージャーの村上浩一氏は話す。米中貿易摩擦や対日輸入規制など国際政治情勢は緊張関係が高まる中にあっても、日本酒が持つ文化外交の意味合いは大きく、関係者の熱い視線が注がれている。
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