大王製紙と海上共同輸送を開始 同業社間における初の定期便ラウンド輸送 日本製紙2023年8月23日
日本製紙株式会社は、大王製紙株式会社と共同で首都圏・関西エリア間の海上共同輸送を8月より開始したことを公表した。同業社間における定期的なラウンド輸送により製品輸送のモーダルシフト(自動車による貨物輸送を、環境への負荷が小さい船舶や鉄道による輸送へ転換すること)を図る。
製紙業界において同業社間の定期的なラウンド輸送は初めての取り組み(日本製紙、大王製紙調べ)で、物流業界の2024年問題への対応やCO2排出量削減などに貢献できる。今回の取り組みは、国土交通省が募集する令和5年度の物流総合効率化法に基づく総合効率化計画の認定および、モーダルシフト等推進事業の交付を受けている。日本製紙と大王製紙のほか、日本製紙のグループ会社である日本製紙物流、南光運輸、大王製紙のグループ会社であるダイオーロジスティクス、RORO船の運行を行う大王海運の計6社による「紙・パルプ協業モーダルシフト化推進協議会」で実施する。
日本製紙は勿来工場で生産する情報用紙の関西圏への供給について、これまでトラックでの長距離輸送を行ってきた。モーダルシフトによるCO2排出量の削減と、物流業界の2024年問題、とりわけ長距離において今後トラックによる安定的な輸送が困難となることが予想されることから、輸送手段の複線化を検討してきた。
大王製紙は三島工場で生産する紙・板紙製品を、三島川之江港から大王海運のRORO船で堺泉北港経由して千葉中央港まで輸送し、首都圏や東北地区へ製品を供給している。ティシューや紙おむつ等のホーム&パーソナルケア商品についても、今後RORO船の活用を見込んでおり、大王海運と共同で東日本から西日本向けにRORO船を活用する新たなパートナーの確保と安定稼働を検討してきた。
これら両社の課題解決に向け、日本製紙勿来工場で生産した製品を千葉中央港まではトレーラーにて輸送し、千葉中央港から堺泉北港までは大王海運RORO船を活用した海上輸送を行う。今回の取り組みにより、日本製紙は関西向けの安定輸送体制強化とともに、従来の輸送と比較しCO2排出量を年間46.7%、トラックドライバーの総走行時間を78.8%削減する。
輸送イメージ
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