生野菜の栄養吸収率 正しく知る人は2.1% 野菜の「栄養吸収」調査 日本野菜ソムリエ協会2023年8月28日
日本野菜ソムリエ協会は、8月31日の「野菜の日」に向けて、同協会所属の野菜ソムリエと全国の一般生活者を対象に「野菜の摂取と栄養素に対する理解調査」を実施。調査では、にんじんを生で食べたときのにんじんに含まれるカロテノイドの吸収率は約10%であることを知っている一般生活者は2.1%にとどまり、野菜の栄養吸収に関する正しい知識が得られていないことが浮き彫りになった。
同調査は8月7日~14日、協会所属の野菜ソムリエ117人と全国の一般生活者20~60代男女計1117人を対象にインターネットで行なわれた。
生でにんじんを食べたときに『カロテノイド』は何%体内に吸収されると思うか?
同調査では、「生でにんじんを食べたときに『カロテノイド』は何%体内に吸収されると思うか?」を予想してもらったところ、正解は「10%」だが、知っている一般生活者は2.1%。吸収率が低いこと自体も約8割が知らなかった。吸収率の低さについて聞いたことがある人については、野菜ソムリエは一般生活者の約3倍で、野菜の栄養吸収に関する認知の差が明らかになった。
また、栄養素の吸収率が10%という事実に、「とてももったいない」と回答した一般生活者は野菜ソムリエの1/2。「とてももったいない」と回答したのは一般生活者19.8%、野菜ソムリエは41.0%。野菜ソムリエは「もっと効率良く」野菜栄養を摂ってほしいと考えている。
「野菜に含まれる栄養成分の吸収率を良くするための方法」について知っていること
吸収率の良い食べ方の実践については、吸収率の良い食べ方を知る野菜ソムリエの方が多種多様な結果に。一般生活者は「よく噛む」、野菜ソムリエは「調理方法・食べ合わせの工夫」がそれぞれ1位。野菜ソムリエのうち9割が知っている吸収率を上げるワザが「油で調理する・油脂が豊富なものと食べる」ことで、特に、一般生活者の認知率は低いが、野菜ソムリエが知っているワザが「腸内環境を整える」ということだった。
一方、「野菜についての困りごと」では、両者とも十分な野菜の栄養素を摂れていない可能性が浮き彫りに。野菜ソムリエは「1日の摂取目標達成の難しさ」、一般生活者は「そもそも野菜高騰により価格が高いこと」という結果になった。
今回の調査により、野菜の栄養素とその吸収率について正しく認知している一般生活者はわずか2.1%ということが分かった。「野菜類を1日350g以上食べましょう」という「健康日本21(第二次)」の健康指針は全国に広まり、"1日の野菜摂取量のうち半分をとれる"といった商品や料理メニューも増えているが、野菜を摂ろうとする意識があっても、目標摂取量を毎日達成することは難しいと考えられている。
さらに、野菜の栄養素を「無駄にしない」ためには、吸収率を上げることが重要。多くの野菜ソムリエはこの重要性を認識し、野菜の調理方法や食べ方・食べ合わせ・腸内環境の改善により吸収率を上げ、栄養素を「無駄」にしない「トクする」食べ方を実践している。
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