持続可能な農業を創造 約7.5億円のシリーズA資金調達を実施 AGRI SMILE2023年9月7日
株式会社AGRI SMILEは、事業および組織の拡大にあたり、ジャフコV7投資事業有限責任組合、HERO Impact Capital 1号投資事業有限責任組合、サイドウェイズ1号投資事業有限責任組合、およびSMBCベンチャーキャピタル7号投資事業有限責任組合を引受先とする第三者割当増資を実施。シリーズAエクステンションラウンドとして約7.5億円の資金調達を行った。これにより、シリーズA累計調達額は約9.2億円に到達した。
AGRI SMILEは、産地の中核をなすJAとのパートナーシップのもと、「研究支援事業」「栽培支援事業」「販売支援事業」「研究開発事業」の4つを基盤に、ソフトウェアとバイオテクノロジーによって持続可能な農業の実現に挑戦している。
農作物の栽培から販売、さらに産業の成長を支えるアカデミア領域におけるDXを推進すると同時に、異常気象対策やカーボンニュートラルに寄与するバイオスティミュラントの研究開発に取り組んでおり、産地ごとに異なる課題に対応するため、これら4つの事業を基盤としたソリューションを、産地ごとの作物や気候、産地のニーズに合わせてカスタマイズして提供している。
事業概要
研究開発事業では、バイオスティミュラントの開発と現場実装に取り組んでいる。バイオスティミュラントは気候変動に伴う植物の高温・乾燥などの環境ストレスを緩和し、安定的な収量・品質の農作物を収穫することを可能にする資材。同事業と各DX事業の掛け合わせにより、産地への提供価値を最大化している。
DXの「KAISEKI」事業では、ビッグデータから圃場ごとの化学肥料削減余地や土壌改良の方向性を見出し、バイオスティミュラントの活用により改善策の実行まで伴走。農産物の収量・品質を向上させることで、「産直プライム」事業におけるオンライン販売の成長につながるとともに、消費者嗜好データを栽培に反映させることも可能となる。
また、産学のイノベーションを活性化させる「Academia Hub」事業によって、AGRI SMILEも外部の研究者や民間企業と活発にコミュニケーションをとることができ、持続可能な農業の実現に資する技術開発の加速や、そのための共同研究等につながっている。
同社は2018年の創業以来、全JAの約4分の1にあたる150以上のJAとのネットワークを築き、そのニーズに応える形で事業を拡大してきた。栽培DX事業「KAISEKI」では、1JAで約12億個もの農産物を解析した事例もある。また、複数のJAと提携した農産物ブランディング支援事業「産直プライム」では、導入から1年で売上が5倍、2年で18倍超に成長した産地もあり、提携産地全体での青果物取扱高は約1000億円に達している。
また、「Academia Hub」事業は、延べ5万4000人の研究者が利用する国内最大級の研究交流プラットフォームに成長。研究開発事業においては、規格外農作物や加工残渣など食品残渣を原料とするバイオスティミュラントをすでに25種を開発。関連特許の出願数は11件に拡大しており、JAと連携して生産現場への導入を進めている。
3つのDX事業の売上は伸長しており、中には黒字化しているものもある。これらの営業利益を積み上げて研究開発事業への投資を加速させ、中期的にはグローバルへの展開も見据えている。
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