国内農業を守り、食料自給率向上へ 6生協合同で勉強会を開催 生活クラブ2023年9月28日
生活クラブ事業連合生活協同組合連合会は9月22日、「食料・農業・農村基本法改正に伴う合同学習会―国内農業を守り、食料自給率向上にむけて!―」をニッショーホール(東京都中央区)で開催。全国各地で活動する6つの生協グループとの合同開催でオンライン配信も併用し、北海道から九州の全国で活動する6生協グループの組合員・生産者など約800人が参加した。
22日に都内で行われた「食料・農業・農村基本法改正に伴う合同学習会」
政府は現在、「食料・農業・農村基本法」の見直しを検討している。この学習会は、同法の24年ぶりの改正を食料自給力を上げる政策の転換期と捉え、6つの生協の連帯で消費者と生産者の願いを発信し、多くの市民の理解と共感を得る機会となることをめざした。
合同学習会では、農林水産省が、食料・農業・農村基本法の検証・見直しに関する最終とりまとめ(答申)について報告。3人の生産者からは有機農業の苦労や教育現場を見据えた問題提起、生協組合員とのつながりなどが報告され、法改正への期待と要望を語った。
また、東京大学大学院の鈴木宣弘教授が、改正における社会的意義について解説。現在38%とされている日本の食料自給率(カロリーベース)も、生産の実態を反映した「実質的自給率」はさらに低いと考えられ、危機的状況であると伝えた。鈴木教授は「お金を出せば食料を海外から購入できるという前提はもう古い。国民の命を守るのが国防ならば、地域農業を守り、食料自給率を上げることこそ安全保障。農業・食料を蔑ろにして経済発展をしてきた"今だけ金だけ自分だけ"の考えを捨て、今こそ協同組合、市民組織などが連携して心ある生産者とともに自分たちの力で自分たちの命と暮らしを守るネットワークをつくり、国政を動かすうねりをつくりましょう」と呼びかけた。
さらに6生協それぞれの組合員代表による実践報告と生産者へのエールを送り、最後に生活クラブ連合会会長の村上彰一が学習会をまとめた。
今回の学習会からは、"平時、有事いかなる時も食料の安定確保こそが国民を守ること。命を守り、環境を守り、国土を守る農業は国民みんなで支えていく必要があること"を再認識。今回の学習を踏まえ6生協で主張をまとめ、実情に即した法改正と持続可能な農業をめざして活動していく。
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