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日本の自然保護と生物多様性に貢献「日本自然保護大賞2023」授賞者決定2023年10月18日

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日本自然保護協会(NACS-J)は10月17日、自然保護と生物多様性保全に日本で最も貢献した取組みを表彰する「日本自然保護大賞2023」の授賞者を決定。日本の自然保護と生物多様性の保全に大きく貢献した団体として、大賞3団体、選考委員特別賞2団体の計5団体を発表した。

日本の自然保護と生物多様性に貢献「日本自然保護大賞2023」授賞者決定

「日本自然保護大賞」は、地域性・継続性・先進性・協働性の観点から、優れた自然保護活動、生物多様性保全活動を表彰するもの。

第9回となる今年度は、3つの応募部門に対し全国各地から70件の応募があり、活動の将来性や社会への波及性などに注目して審議された結果、3部門につき大賞各1件のほか、選考委員特別賞2件への授賞が決まった。また、6件の活動が入選した。

◎授賞団体

【大賞】保護実践部門の久保川イーハトーブ自然再生協議会(岩手県)

【大賞】保護実践部門の久保川イーハトーブ自然再生協議会(岩手県)

【大賞】保護実践部門
・久保川イーハトーブ自然再生協議会(岩手県)
外来種防除と耕作放棄地等のビオトープ化による生物多様性保全

久保川上流域における自然再生事業として、セイタカアワダチソウやウシガエルなどの外来種の防除に加え、耕作放棄地と放棄林のビオトープ化を実践。約50個のため池を造成し、間伐と定期的な下草刈りによって、里地里山らしい景観と生物多様性の再生を図り、希少な水生昆虫やモリアオガエルなどの在来生物が回復した。

【大賞】教育普及部門の筑後川まるごと博物館運営委員会(福岡県)【大賞】教育普及部門の筑後川まるごと博物館運営委員会(福岡県)

【大賞】教育普及部門
筑後川まるごと博物館運営委員会(福岡県)
・「昆虫と植物図鑑」を活用した生物多様性を学ぶ自然体験活動

2011年から実施している「ちくご川子ども学芸員養成講座」では、年6回の連続講座を修了した主に小中学生の子どもたちを「子ども学芸員」に認定している。2022年に発行した『みんなでさがそう 高良川の昆虫と植物図鑑』では、子どもたちが講座の野外活動で見つけた昆虫189種と植物71種を収録している。

【大賞】子ども・学生部門の岐阜県立岐阜高等学校自然科学部生物班(岐阜県)【大賞】子ども・学生部門の岐阜県立岐阜高等学校自然科学部生物班(岐阜県)

【大賞】子ども・学生部門
岐阜県立岐阜高等学校自然科学部生物班(岐阜県)
・守れ!ふるさとのヤマトサンショウウオ

2006年に、岐阜市で絶滅危惧Ⅰ類に分類されるヤマトサンショウウオが発見されたことをきっかけに、同種の保全と研究を開始。生息地の整備では、外来生物のアメリカザリガニなどの防除や清掃活動も行っている。保全活動開始時と比較して、保護卵嚢数は最大26倍(22年)、放流幼生数は最大14倍(16年)に増加した。

【選考委員特別賞】
北海道美幌高等学校環境改善班(北海道)
・オホーツクの自然を守れ!~オホーツクから世界へ繋ぐ環境改善

2014年から外来種ウチダザリガニを累計1万2,000匹以上駆除し、在来種二ホンザリガニの保護活動を実施。2019年には網走川でのマイクロプラスチック調査や網走湖の環境調査も行っている。また、プラスチック製農業資材を使わない野菜栽培にも取り組んでおり、2022年には栽培した野菜を大阪阪急デパートで販売した。

【選考委員特別賞】
呑川の会(東京都)
・呑川を知り愛着を深めるための教育、普及活動の集大成として

東京都大田区を流れる「呑川」流域の区民が中心となって、自然環境豊かな流域づくりをめざして活動している。2022年には呑川の解説本『わたしたちの都市河川 呑川』を発行。子どもにも見やすく分かりやすい教材とすることを目指し、呑川に想いを寄せる地域の先人たちの活動成果をもとに編纂。計1000冊以上を配本・販売した。

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