政府目標・食料自給率45%「達成は無理」と72%が回答 日本の農業と食の未来に関する意識調査2023年10月24日
紀尾井町戦略研究所(KSI)は10月13日、日本の農業と食の未来に関する意識調査を全国の18歳以上の男女1000人を対象にインターネットで実施。その結果、カロリーベースの食料自給率を2030年度までに45%にする政府目標を達成できないと思う人が72%に達した。
同調査によると、農地面積や就農人口の減少、食料自給率低下などの傾向が続く日本の農業の現状を問題だと思う人は58%、高齢化が進んでいることを問題だと思う人は66%。2022年度に38%だったカロリーベースの食料自給率を2030年度までに45%にする政府目標を達成できないと思う人が72%に達した。
政府による多額の補助金が支えているとの指摘がある日本の農業に関し「食料自給は重要だが補助金以外の方法も検討すべき」が59%に上った。株式会社などの法人による農地所有の解禁範囲は慎重に拡大すべきだと思う人が54%、拡大すべきだと思う人は26%だった。
食料危機時に穀物などに生産転換指示ができるなど、食料・農業・農村基本法を改正して食料安全保障を巡る国の権限強化を盛り込むことに、どちらかといえばを含めると賛成が60%。食料安保などの観点から「コメを積極的に増産して輸出を増やすべきだと思う」23%、「コメの増産や輸出増は検討すべきだと思う」49%という結果だった。
また、増える耕作放棄地を再び農地として活用すべきだと思う人は55%。国内で小麦や大豆の自給率が低いことについて「自給率を上げることは重要だが政府の多額の補助は再考すべきだ」が56%を占めた。
農業従事者を増やすためにできることを複数回答で聞くと「農業に関わる人の所得が増えるような施策」61%がトップとなり「女性や若者が就農しやすい環境の整備」52%が続いた。また、人口減少により労働人口が減る中で優先的に従事者を増やすべき産業について複数回答で聞くと、1位は農業75%で医療・福祉45%、漁業40%と続いた。
さらに、次期衆院選の比例代表で投票したい政党は自由民主党が16%(前回9月21日15%)、日本維新の会11%(同11%)、立憲民主党4%(同4%)、国民民主党4%(同4%)など。また、岸田内閣を「支持する」と答えた人は16%(同17%)で、「支持しない」は67%(同65%)だった。
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