大雨時の水門操作を遠隔化・自動化 運転支援システムを開発開始 IHI2023年12月12日
IHIは、内閣府が主導する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の研究課題「スマート防災ネットワークの構築」に研究開発機関として参画。現地での操作が主流となっている大雨時の水門操作を遠隔化・自動化するための支援システムの開発を開始した。
現在、河川の流れを制御する水門の操作は、操作員が現地でマニュアルに基づいて行う機側操作が主流となっている。一方、水門の操作員がおかれる作業環境は、高齢化と担い手不足、地球温暖化に伴う気候変動による洪水被害の激甚化・頻発化による負担増加が課題となっている。
IHIは同研究において、これまで水門事業で培ってきた水門技術や設備の劣化診断技術、センシング技術を活用し、これらの課題を解決する技術開発を推進。具体的には、操作員が現地における水門の周辺情報をもとに行っている操作判断を自動化する技術、老朽化した水門設備の異常診断技術、故障発生時でも水門操作を適切に行うための技術を開発する。
同社は、この研究で開発する水門の自動運転支援システムにより、水門の遠隔操作への移行を支援し、気候変動に伴う災害激甚化・頻発化に対する防災・減災に取り組む。
◎SIP第3期課題について
「スマート防災ネットワークの構築」は、A~Eの5つのサブ課題で構成されており、IHIはサブ課題Dに参画する。
サブ課題D:流域内の貯留機能を最大限活用した被害軽減の実現
研究開発責任者:角哲也氏(京都大学 防災研究所教授)
社会実装責任者:小平卓氏(水源地環境センター 理事)
<研究開発テーマ>
D-1: 流域内の貯留・洪水調節機能と氾濫リスクの評価
D-2: 既存インフラの貯留効果を最大限発揮することを可能とするシステムの開発
D-3: 水門・排水機場の緊急時操作遠隔化・自動化技術の開発
<研究開発機関>
京都大学、水源地環境センター、農研機構、日本気象協会、土木研究所、筑波大学、IHI
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