国内最大級 サツマイモ選果場のトレーサビリティシステムを動画公開 日本流通管理支援機構2024年2月8日
日本流通管理支援機構は2月7日、国内最大級のサツマイモ選果場である苫小牧の出荷施設で2022年から提供している輸出用サツマイモのトレーサビリティシステムのサービス事例紹介動画を公開した。
農林水産省は、「農林水産物・食品の輸出額を2025年までに2兆円、2030年までに5兆円」をめざし、輸出拡大のための施策を行っているが、現状では輸出先からの原因の特定ができないクレームなどにより、日本国内で多額の費用負担が発生するなどの課題もある。同社が提供するトレーサビリティシステム「農水トレーサビリティ」は、コンベアに通すだけで生産者などの情報をデータ化し、輸出先での腐敗などの原因特定やトラブル解決に貢献している。
国内の農産物の輸出は増えているが、同時に輸出時のトラブルに対する賠償金も増加。相手国側から「腐っていた」などのクレームがあり、原因を特定できないため、日本側(輸出者)がその費用を賠償しなければならない。こうしたトラブルに備えて保険はあるが、農産物の保険は高額になりがちで使いやすいとはいえず、保険会社としてもコンテナに複数の農家が生産したものを混載された場合のリスクは計算が難しい。この課題を解消するため、出荷時と相手国到着時の検品時に写真をとりつつ生産状況情報をデータ化し集計する必要があった。
国内最大級の選果場で行われた農水省の実証実験でトレーサビリティシステムを導入
2022年の農水省 品目団体輸出力強化緊急支援事業「だいきぼかんしょ輸出確立実証事業」のトレーサビリティ部門では、北海道に作った国内最大級の選果場や、茨城県(JAなめがた)で出荷情報を撮影し、輸入国側(タイ)で実施。北海道では、まだ輸出が始まったばかりで件数は少ないが、輸出時に4万9760箱、輸入側での検品数1万9547箱の検証を行った。
トレーサビリティシステムでは、輸出向けにサイズ別に箱詰めされた後、専用の端末で情報を記録。画面には団体(JA名)や農家の情報などが大きく表示されており選択する。機材には高精度な産業用QRリーダーやカメラが取り付けられており、箱の側面にあるユニークなコードを読み込みつつ写真を撮影。別途、日本流通管理支援機構で開発しているクラウドサービスに情報を送信し記録する。
輸入者側でも同じように、専用機材で読み込み「正常またはクレーム(腐敗、箱潰れ)などを選択し写真を撮影しクラウドにアップロード。クレームとして報告されると即時クラウド画面ではエラーレポートが作成され関係者に共有される。輸入者側は、いずれにせよ輸入した物を全品箱を開いて検品するため、結果として同時に撮影しトラブル時のクレーム処理を迅速にできた。
既存のシステムにはない"大規模出荷に適した処理速度"を実現
よくある実験では、QRコードが印刷されたシールなどを箱やパッケージに手張りで貼るというものが多いが、大規模輸出向けには難しく、スマートフォンなどを用いたものでは作業者の撮影スキルなどの能力に左右される。
これらの問題を解決するため、タッチパネル機材の設計、クラウドサービスの作成、海外用のコンベアの設計なども要件にあった。農業の場合、箱の側面に生産者の情報が名前として書いてあったり、JA内の生産者コードで書いてあったりと管理の方法がまちまちで情報を整理するところからスタート。修正はクラウドシステム内で対応すれば、すぐに各端末に同期される設計になっているため、生産者が突然追加されてもすぐに対応できる仕組みになっている。
実証実験を経て、ホクレンで本格導入へ
プロジェクトとしては完了した現在も、北海道のホクレンのもとで農産物の品質向上のため、本格的に選果場に組み込んで稼働されている。これは専用につくったベルトコンベアと連動しており、設定しておくと自動的に作業が完了するため、人件費の負担が激減した。北海道のこの日本最大級の選果場では、生産量が5倍に伸びており、さらに今後も伸びていく傾向にある。同社の仕組みは今後、輸出だけではなく国内向けにも稼働を予定している。
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