売上高5.1%減、営業利益51.8%減 2024年3月期3四半期決算 デンカ2024年2月8日
デンカは2月7日、2024年3月期第3四半期の決算短信を発表した。
第3四半期連結累計期間の業績は、前年度に実施した価格改定の効果や円安による手取り増があったが、電子・先端製品やクロロプレンゴムなど主力製品の販売数量が減少。売上高は、2928億4300万円と前年同期に比べ158億9000万円(5.1%)の減収。利益面では、営業利益は、主力製品の販売数量減少やスペシャリティ化進展のためのコストの増加があり、125億5300万円で前年同期比135億600万円減、51.8%減益。経常利益は84億6300万円で同152億7200万円減、64.3%減益。親会社株主に帰属する四半期純利益は、のれんの減損損失等を特別損失として計上したことから35億8200万円で同52億5900万円減、59.5%減益となった。
部門別の内容は次のとおり。
◎電子・先端プロダクツ部門
高純度導電性カーボンブラックは、xEV向けは底堅く推移したが、高圧ケーブル向けは工事の遅れによる一時的な減少があり減収。球状アルミナは、xEV向けは需要が回復傾向にあるものの、民生向けの需要は低調が続き減収となった。このほか、電子部品・半導体関連分野向け高機能フィルムや球状溶融シリカフィラーは、パソコン、スマートフォンなど民生向けの需要減により減収となり、自動車産業用向けの金属アルミ基板"ヒットプレート"の販売も前年を下回った。
この結果、同部門の売上高は633億2700万円となり、営業利益は66億6600万円と前年同期に比べ70億8600万円(51.5%)の減益。
◎ライフイノベーション部門
POCT検査試薬は、新型コロナウイルス抗原迅速診断キットは前年を下回ったが、インフルエンザの流行により新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの同時診断キットが増加し増収。このほか、その他の検査試薬の販売は前年並みとなり、インフルエンザワクチンの出荷も前年並みにとどまった。
この結果、同部門の売上高は380億3200万円となり、営業利益は97億1200万円と前年同期に比べ18億2500万円(15.8%)の減益。
◎エラストマー・インフラソリューション部門
クロロプレンゴムは、価格面では昨年度に実施した段階的な価格改定が寄与したほか円安による手取り増があったが、販売数量は全般的な需要の減少があり、減収。このほか、特殊混和材などの販売は概ね前年並み。
この結果、同部門の売上高は858億円となり、55億5000万円の営業損失となった。
◎ポリマーソリューション部門
デンカシンガポール社のMS樹脂は、販売数量が前年を上回り増収。一方、スチレンモノマーは原材料価格の下落に応じた販売価格の見直しを行ったことから減収となり、透明樹脂は中国経済減速の影響を受け販売数量が減少した。このほか、食品包材用シートおよびその加工品や、合繊かつら用原糸"トヨカロン"の販売は低調に推移。
この結果、同部門の売上高は923億7300万円となり、営業利益は3億4500万円。
◎その他部門
YKアクロス株式会社等の商社は、取扱高が概ね前年並み。この結果、同部門の売上高は133億900万円となり、営業利益は12億4000万円と前年同期に比べ8億6600万円(41.1%)の減益となった。
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