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豚に与える飼料用米給餌量を約1.2倍に「日本の米育ち 平田牧場 三元豚」共同購入 生活クラブ2024年2月29日

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生活クラブ事業連合生活協同組合連合会は、飼料用米給餌量を約1.2倍に引き上げた豚肉「日本の米育ち 平田牧場 三元豚」の共同購入を3月から開始する。

豚に与える飼料用米給餌量を約1.2倍に「日本の米育ち 平田牧場 三元豚」共同購入 生活クラブ

豚の飼料は一般的に、トウモロコシが多く使われるが、そのほとんどを輸入に頼っているのが現状。一方、生活クラブの豚肉の提携生産者である平田牧場(山形県酒田市)では、飼料用トウモロコシの一部を飼料用米に置き換えて育てている。この取り組みは、生活クラブと平田牧場、山形県遊佐町の米農家が協力し、1996年から使われなくなった水田で飼料用米をつくり豚に与えたのがはじまり。飼料の国内自給力アップのモデルとして全国に広がっている。

平田牧場では、飼料用米給餌量を増やすために継続的に試行錯誤を重ね、開発当初は1頭あたり19kgだったものを2022年には83kgへ、そして2023年に102kgへの引き上げを実現した。

「日本の米育ち 平田牧場 三元豚」は、肉質の良さに定評のある黒豚(バークシャー)の3品種をかけ合わせた三元交配豚(三元豚)の肉で、繁殖力と丈夫さ、おいしさを兼ね備えたオリジナル品種。さらに、米を配合した飼料を与えることで、独特の甘みと旨みが加わり、脂身は舌先でさらりととろける食感になった。

食肉用の豚は、肥育前期(生後約78~120日)と肥育後期(生後約121日~200日)で飼料の配合などを変えて育てられる。「日本の米育ち豚」は、体の基礎を作る肥育前期から飼料用米を食べていることが大きな特長で、肥育前期は飼料の15%、肥育後期は飼料の45%に拡大。肥育期全体で約38%の飼料用米を与えている。早い段階から飼料用米を食べ慣れさせることで、後期に移行し食べる量が増えてからも体に負担をかけずに育てられるというメリットがある。

平田牧場ではかねてから、豚の飼料の海外依存を解決したいという思いから米で豚を育てる方法を模索していた。一方、同じ山形県のJA庄内みどり(遊佐町)では、長年の減反政策による水田の減少や耕作放棄地の増加に頭を痛めていた。そこで生活クラブは、組合員の食べるチカラを背景に、それぞれの立場から自給力の向上をめざしていた生産者をつなぎ、使われていない遊佐の田んぼを活用した「飼料用米」で豚を育てる試みを提案。1996年から、本格的に「飼料用米」を使った豚の生産を開始した。これがモデルケースとなり、その後、生活クラブの他の畜産物にも取組みが広がっている。

生活クラブの働きかけにより行政も一体となってすすめられたこの取組みは、水田が担う温暖化防止や貯水機能など環境保全の側面からも高く評価され2018年3月、平田牧場は第1回「飼料用米活用畜産物ブランド日本一コンテスト」(主催:日本養豚協会)農林水産大臣賞を受賞。これは生産者の努力のたまものであると同時に、組合員が長年にわたって平田牧場の豚肉を食べ続けてきた成果といえる。

日本の畜産業は近年、世界的な課題に直面している。その一つは、畜産業で発生する温室効果ガスで、海外から飼料用の穀物を輸送するとき、船などからたくさんのCO2が排出される。気候危機対策としてCO2削減への対応が叫ばれるなか、早急に解決策を見つける必要がある。さらに、近年需要が高まったことによる飼料用トウモロコシの価格の高騰と、2021年からの燃料費の値上がりもあり、飼料価格と燃料費は畜産農家の経営を直撃。精肉の価格も値上がりせざるを得ない状況になっている。飼料用トウモロコシの価格高騰は、今後も続くと懸念されるなか、「日本の米育ち豚」は資源循環にも役立っている。

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