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共同出資会社「木環の杜」設立 福島県いわき市で新設工場26年に稼働 住友林業2024年4月22日

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住友林業など3社の共同出資会社「株式会社木環の杜(こわのもり)」(福島県いわき市)は2026年3月に新設工場を稼働。福島県いわき四倉中核工業団地内に工場を新設し、国産スギを中心に製材や木材加工品を製造する。

いわき四倉中核工業団地図(画像提供:福島県)

「木環の杜」は、住友林業、恒栄資材株式会社(東京都渋谷区)、和田木材有限会社(福島県いわき市)の3社が2023年11月に設立。住友林業は経営全般、原木集材や商品販売、恒栄資材は工場管理と集成材製造、和田木材は原木集材と製材工場管理を担当。国産材の活用を促進し、国内の持続可能な森林経営と地域の木材市場活性化に貢献する。

「木環の杜」はいわき市で四倉工場と湯本工場を運営。新設する四倉工場はいわき四倉中核工業団地内で、スギの中大径木を主体とした国産材の製材及びこれら製材の加工を担い、主に2×4住宅で利用する構造用製材(ディメンション材)を製造する。今夏を目途に着工、2026年3月に操業開始する計画で、周辺地域での原木需給への影響を考慮しながら段階的に集材量を増やし、年間原木投入量11万m3を目指す。

湯本工場は集成材の製造事業を営む恒栄資材湯本工場を4月に事業譲受。現在の輸入ラミナ(集成材を構成する板状の材、挽き板)を利用した集成材の製造を引き継ぐほか、国産材を利用した集成材の製造も計画している。

「木環の杜」は輸入材使用比率の高い住宅部材の国産材活用を積極的に進め、その比率を高めていくことがねらいとしている。特に国産材比率が低いディメンション材の国産材化に取り組む。国内の新設住宅着工数が減少傾向にあるなか、国産材使用比率を高め国産原木の需要量を一定量保ち、加えてウッドショックの様な外的要因に左右されず安定的に構造材を供給できる体制を構築する。

四倉工場は主にスギの中大径木を扱う大型工場で、地域の森林資源の更なる有効活用を進め、国産材を安定的に利用していく。川上の山元や素材生産会社から原木が供給され、川中の製材工場、プレカット工場及び川下の住宅メーカーまで製材品、木材加工品を流通させるサプライチェーンを地域のステークホルダーと協業しながら強化し木材市場の活性化に貢献する。

住友林業は長期ビジョン「Mission TREEING 2030」の中で、木材の付加価値最大化と国産材の利用促進につながる木材コンビナートの設立を掲げている。鹿児島県志布志市では2022年2月に新工場建設に向けた立地基本協定を締結し、高強度構造材を製造する工場の建設を目指している。今回の「木環の杜」の取り組みも木材コンビナート設立の一環で、同社が掲げる「ウッドサイクル」の一翼を担い脱炭素化を推進する。

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