福島県矢吹町に農業法人「旬彩ファーム」を誘致 アグリメディア2024年5月17日
農業ビジネスを展開するアグリメディアは、福島県矢吹町から受託しているプロジェクトの一環で同町への農業法人の誘致活動に取り組んだところ、有機野菜を生産する「旬彩ファーム」(福島県白河市)が進出に名乗りを上げ、このほど作付けを開始した。
旬彩ファームが矢吹町内に開設した圃場
農業求人サービス「あぐりナビ」を運営するアグリメディアは、旬彩ファームのような拡張意欲の高い農業法人と直接的なつながりを持っていることから、今回の誘致につながった。今後も、矢吹町と二人三脚で同町の農地と意欲ある農家・農業法人をマッチングし、同社が成長事業と位置づける「農業型街づくり」の具体化に取り組む。
同社は農地を集約して担い手に貸し出したり、農的コンテンツを集積させたりする取り組みを「農業型街づくり」と呼び、埼玉県羽生市、同吉川市、矢吹町の3か所で展開。エリアによっては直売所を運営したり、圃場を構えており、3か所はいずれも、地元自治体の農政課とコンサルティング契約を結び、意欲ある農業法人の誘致を仕事の柱に据えている。また、いずれの自治体も、担い手の高齢化に伴う遊休農地の増加に悩んでいることから、自治体を支援するかたちで地権者協議やエリアのゾーニング設計も同社が手がけている。
矢吹町からは2023年11月に「白山・神田地区土地利用可能性調査業務」を受託。具体的には、白山・神田地区にある14ヘクタールの農地(地権者約50人)に関して、慢性的な水不足から新たな農地利用方法を調査するともに、同社の農業法人網を活用した農家・農業法人の誘致が期待された。
今回、旬彩ファームが進出したのはこの農地の一角
同社が取り組んだのは、全国の農業法人や農業参入を予定している企業を対象にしたオンラインセミナー「大規模農地紹介セミナー」の開催。矢吹町などの大規模農地の独自情報を農業法人の担当者らに説明する企画で、同社のネットワークを活用して周知した結果、参加者は開催前予想を5割上回る約150人にのぼった。面的にまとまった農地への関心は予想以上に高く、とりわけ土質のすぐれた矢吹町の農地は露地栽培の野菜・畑作農家の興味を惹いた。
旬彩ファームもそんな法人の一つで、土づくりにこだわりを持ち、玉ねぎ、にんじん、きゅうり、トマトなど100種類を超す有機JAS認証取得の野菜を生産し、大手スーパーマーケット強力な販路を持つ。福島県白河市と栃木県那須塩原市にある圃場は約13ヘクタールで、将来は全国40か所以上にオーガニック農場を展開する計画を立てている。
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