生協グループの福祉事業を発展、強化「コープ福祉機構」事業報告2024年7月30日
(一社)全国コープ福祉事業連帯機構は、設立から2年間の取り組みと2024年度の事業計画について発表。参加社員は45社員に増え事業高は約517億円となり、介護人材確保に向けて事業スキームの確立を目指す。
「生協10の基本ケア®」の研修
コープ福祉機構は、日本生協連の関連団体で、全国生協で打ち出している「2030ビジョン・福祉分野中期方針」で掲げた「誰もが安心して自分らしくくらし続けることのできる地域づくりへ貢献する」「利用者の尊厳を護り、自立支援サービスの提供で、その人らしい在宅生活の継続を支える」という方針の実現を目指し、福祉介護事業を強化することを目的に2022年に設立。生協法人および社会福祉法人と協同し、生協グループにおける福祉事業の発展・強化を目的に設立された。
社員数の推移
事業報告によると、設立時の31社員から、2024年には1.5倍の45社員に増加。特に医療福祉生協は設立時には0社員だったが、2023年から7社員に増えた。また、2024年度社員の福祉介護事業(障がい・子育てを含む)の事業高は、約517億円となった。地域購買生協とともに社会福祉法人、医療生協の参加が拡大していくなか、法人格の枠を超えた連携・協同の取り組みが広がっている。
能登半島地震 被災地支援の派遣においては、生協・社会福祉法人10法人から、専門性を有する介護職員延べ60人を被災地へ派遣。健康状態や介護度の悪化防止と災害関連死を防ぐため、2月10日~3月1日にかけて「1.5次避難所」の高齢者を支援した。
コープ福祉機構では、生協オリジナルの介護サービスを標準化し、全国の生協で共通した質の高い自立支援サービスの実践を目指している。導入法人は29法人から42法人へ拡大し、学び合いの場の創出や指導者の育成・交流などが始まり、組合員が介護と「生協10の基本ケア®」を学ぶ学習会も広がっている。
2024年度の事業計画としては、「生協10の基本ケア®」を土台に、以下3点の重点課題に取り組む。
<2024年度の事業計画>
➀福祉事業の経営基盤・経営改善の取り組み強化
経営戦略の明確化と次世代幹部育成、地域密着型サービスの推進、社員法人間の支援体制の強化などをすすめる。
②危機的な介護・福祉人材確保など協同事業を更に発展
事業の存亡に関わる介護人材確保を中心に協同事業の具体化・事業スキーム確立を目指す。
③介護報酬改定への事業対応を確実に行い、政策提言機能を強化
今後求められる医療介護連携、認知症対応、ケアマネジメント力、自立支援・重度化防止の取り組みなどの強化とともに、次期介護保険制度・介護報酬改定への生協の政策提言について検討する。
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