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6月の値上614品目「円安値上げ」全品目の3割に拡大 食品価格動向調査 帝国データバンク2024年9月2日

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帝国データバンクは、食品メーカー主要195社における価格改定動向について調査を実施。6月の食品値上げは、614品目で「円安値上げ」全品目の3割に拡大。また、「加工食品」の値上が最多329品目で海苔製品は一斉値上げ。「円安値上げ」が顕在化し、今年後半にかけてさらに拡大する可能性がある。

同調査によると、主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした6月の飲食料品値上げは614品目を数えた。大規模な値上げラッシュとなった前年同月(3775品目)に比べて3161品目・83.7%減と、6か月連続で前年同月を下回ったほか、2か月連続で1000品目以下の水準にとどまり、値上げ沈静化の傾向が続いた。

9月の値上1392品目「豆不足」でコーヒー・チョコに影響 食品価格動向調査 帝国データバンク_01.jpg

月別値上げ品目数推移

また、値上げ1回あたりの平均値上げ率は6月単月で16%となり、22年以降で最高だった前月(31%)を大きく下回った。2024年通年の値上げ品目数(予定含む)は10月までの累計で8269品目で、年間の平均値上げ率は17%。なお、2023年の値上げ予定品目で8000品目到達が判明したのは2022年12月時点だったのに対し、2024年分では同年5月と、前年より5か月遅いペースだった。

2024年の値上げ要因では、足元で急速に進んだ「円安」の影響が広がった。2024年(1-10月)に予定される値上げ品目のうち、「円安」要因の値上げは品目数ベースで29.2%。前年の同時期(11.5%)に比べて約3倍の水準に拡大した。要因として最も大きい「原材料高」は90.7%を占め、特に春以降の値上げで原材料高の影響が広がった。猛暑や干ばつなど天候不順による不作で、カカオ豆やコーヒー豆、オリーブ、オレンジなどの輸入果汁で価格高騰が目立った。国産食材でも、不作により海苔製品を中心に価格を引き上げたケースもみられた。

9月の値上1392品目「豆不足」でコーヒー・チョコに影響 食品価格動向調査 帝国データバンク_02.jpg

値上げ要因の推移

加工食品が最多329品目 海苔製品で一斉値上げ

2024年6月の値上げは「加工食品」が全食品分野で最も多い329品目。中でも、味付け海苔など「海苔製品」の値上げが目立った。カカオ豆の価格高騰の影響は、「菓子」(138品目)ではチョコレート製品に、「酒類・飲料」(28品目)ではココア製品などにみられた。酒類・飲料では他にも、オレンジ果汁を使用したジュースなども値上げとなる。「乳製品」(80品目)ではアイスクリーム類の値上げがみられた。なお、7月以降は「パン」が、輸入レーズン等の価格高騰を受け一部製品で1年ぶりの値上げとなるほか、「酒類・飲料」ではワイン・ウイスキーなど輸入洋酒で値上げとなる。

今後の見通し:「円安値上げ」が顕在化 年後半にかけてさらに拡大する可能性

大雨や猛暑、干ばつなどをはじめとする世界的な異常気象で、不作・凶作となった原材料の価格高騰を受けた値上げが広がっている。カカオ豆高騰の余波を受けたチョコレートのほか、主要生産国で不作が相次ぎ世界的な供給不足に直面したオレンジ果汁などで記録的な価格高騰が発生し、断続的な値上げや容量変更などを余儀なくされた。いずれも局地的な「原材料高」に起因した値上げだが、輸入原材料を多く使用する食品では今後、不作や地政学的リスクによる急激な価格変動リスクを織り込んだ値上げが進む可能性がある。

加えて、34年ぶりの安値となった円ドル為替相場は、2022年半ば~23年前半の値上げラッシュを引き起こした当時の円安水準を超えており、4月における円ベースの輸入物価指数は前年同月比6.4%の上昇となるなど影響が顕在化している。すでに、2024年通年の値上げ要因では全品目数のうち3割を「円安」が占めるなど影響力が増しており、今秋にかけて「円安値上げ」の割合がさらに高まる局面も予想される。

2024年後半の値上げは、店頭での値下げ圧力とコストアップの板挟みとなりながら、当面は月平均1000品目前後、年間で最大1.5万品目の値上げペースが続くとみられる。ただ、1ドル150円台後半の円安水準が長期化、または円安が一段と進行した場合、当初予想の品目数から上振れすることも想定される。

9月の値上1392品目「豆不足」でコーヒー・チョコに影響 食品価格動向調査 帝国データバンク_03.jpg

食品分野別 値上げ品目数

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