侵略的外来植物が助けた南鳥島の海鳥相 120年ぶり回復の一方ジレンマも 森林総合研究所2024年10月24日
森林研究・整備機構森林総合研究所は、日本最東端の小笠原諸島の南鳥島の海鳥相の調査を行い、120年ぶりにヒメクロアジサシとシロアジサシの繁殖を確認。これらの鳥は防風林として植えられた侵略的外来植物トクサバモクマオウ樹上に営巣したもので、外来種の拡大という保全上の問題が、海鳥相の回復をもたらした。
120年ぶりに繁殖が確認されたシロアジサシの成鳥と雛
南鳥島は日本最東端に位置する孤島であると共に、国内で唯一太平洋プレート上にあるという特殊な地理的条件を持ち、それゆえにユニークな生物相を有する。今回の調査の結果、過去に乱獲や生息地破壊等によりこの島から絶滅したヒメクロアジサシとシロアジサシの繁殖が120年ぶりに確認された。
前者は日本最大の集団繁殖地、後者は現在の国内唯一の繁殖記録となるが、これらの営巣は全て防風林として植えられたトクサバモクマオウの樹上で見つかったもの。この植物は侵略的外来種で近年分布を広げている。
トクサバモクマオウ樹上で営巣するヒメクロアジサシ。背後に雛の姿もある
一方、かつては島内に広く分布していた在来樹の森林はあまり再生しておらず、在来樹の森林の代わりに外来樹の森林が発達したおかげで、保全対象となる海鳥の集団が回復したと言える。これは保全上の大きなジレンマで、外来植物の管理に一石を投じる成果。トクサバモクマオウは小笠原では駆除の対象であり、今後、管理方針の検討が必要となる。
重要な記事
最新の記事
-
多収米の契約栽培で供給増へ 主食用米全体の安定供給にも寄与 JA全農2025年3月6日
-
貯金保険機構の保険料引き下げへ 有識者検討会に案を提示2025年3月6日
-
春の大玉スイカ出荷本格化 JA鹿本2025年3月6日
-
日本海側中心の大雪被害に早期の支払い JA共済連2025年3月6日
-
ニデック京都タワーに「北山杉」の木製品を寄贈 京都府森林組合連合会と農林中金大阪支店2025年3月6日
-
【人事異動】JA共済連(4月1日付)2025年3月6日
-
次世代の環境配慮型施設園芸の確立へ Carbon Xtract、九州電力、双日九州と実証事業開始 農研機構2025年3月6日
-
バイオスティミュラント新製品「ヒートインパクト」発売決定 ファイトクローム2025年3月6日
-
鳥インフル 米ワイオミング州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年3月6日
-
食用油の紙パックのリサイクルシステム構築 資源ごみとして静岡県裾野市で行政回収開始2025年3月6日
-
食品産業の複合展「FOOD展2025」10月開催 出展申込受付中2025年3月6日
-
果樹の新しい有機リン系殺虫剤「ダイアジノンMC」普及性試験を開始 日本化薬2025年3月6日
-
「オーガニック天平マルシェ」奈良・天平広場で開催 コープ自然派奈良2025年3月6日
-
野菜の機能性・健康効果に特化『野菜健康指導士』資格事業開始2025年3月6日
-
農林水産業専門の人材サービス「農業ジョブ」新機能リリース シンクロ・フード2025年3月6日
-
農薬がどの程度残りうるか 地理的・気候的条件から予測 岐阜大学2025年3月6日
-
農業に特化した就転職オンラインイベント「就農会議」参加者募集 あぐりーん2025年3月6日
-
乳酸菌発酵の力で肉を変える「乳酸菌発酵液」食肉事業者へ販売開始 明治2025年3月6日
-
日本生協連「くらしと生協」春アイテム「sweetweb.jp」で華やかに登場2025年3月6日
-
体験型野菜のテーマパーク「カゴメ野菜生活ファーム富士見」7日から営業2025年3月6日