プラごみ回収量 全国規模で初めて定量的に評価 東京理科大2024年12月13日
東京理科大学創域理工学部社会基盤工学科の田中衛助教、岡田友萌菜氏(2022年度 同大学理工学部土木工学科卒業、現 オリエンタルコンサルタンツグローバル)らの研究グループは、日本全国の市民、行政による河川清掃活動のごみ回収量データを整理し、年間およそ1000トンのプラスチックごみが回収されていることを明らかにした。日本全国のプラスチックごみ回収量を定量的に評価した研究は初めて。
自然環境中に流出したプラスチックゴミは、風化によって微細化してマイクロプラスチックになる。マイクロプラスチックは、一度環境中に放出されると回収はほぼ不可能であるうえ、分解にはとても長い年月がかかることから、深刻な環境問題となっている。
プラスチックごみの削減に加え、プラスチックごみが微細化する前に回収することが重要だが、これまで日本全国でのプラスチックごみ回収量を定量的に評価した研究はなかった。
同研究では、国土交通省が提供する109の一級河川水系におけるごみ回収データを用いて、2016年度から2020年度の5年間におけるプラスチックごみ回収量と、流域情報との関係性を検討。その結果、調査期間における1年間のプラスチック回収量は平均938トンで、プラスチック回収率と人口や清掃参加者には中程度の相関がみられた。また、水系ごとの回収量は、台風や大雨などの極端な気象現象の影響を受けることも示唆された。
この研究から、日本全国のプラスチック年間回収量は、これまでに推定された陸上プラスチックの年間排出量よりもはるかに少ないことがわかった。これは、マイクロプラスチック問題を解決するには、プラスチックごみ排出量そのものを減らすこと、また、ごみ回収を継続して行うことの重要性を改めて示す結果といえる。
同研究成果は11月1日、国際学術誌『Marine Pollution Bulletin』にオンライン掲載された。
重要な記事
最新の記事
-
鳥インフル 国内47例目 千葉県で確認2025年1月30日
-
初動5年で農業の構造改革 28の目標掲げ毎年検証 次期基本計画2025年1月30日
-
営農管理システム「Z-GIS」と「レイミーのAI病害虫雑草診断」アプリが4月に連携開始 地域全体を簡単把握、現場データ管理がより手軽に JA全農と日本農薬(1)2025年1月30日
-
営農管理システム「Z-GIS」と「レイミーのAI病害虫雑草診断」アプリが4月に連携開始 地域全体を簡単把握、現場データ管理がより手軽に JA全農と日本農薬(2)2025年1月30日
-
2025年も切り花の品薄単価高が続く【花づくりの現場から 宇田明】第52回2025年1月30日
-
何かと言えば搗いた餅【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第326回2025年1月30日
-
雑草防除で成果保証型サービス開始 節水型乾田直は栽培を普及へ BASFジャパン2025年1月30日
-
担い手集め地域農業守る 労働力支援協議会が発足 JAみなみ筑後2025年1月30日
-
農林中金「アグリウェブ」に農業特化型生成AIを提供開始 きゅうりトマトなすび2025年1月30日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」神奈川県で幻の果実「湘南ゴールド」を収穫 JAタウン2025年1月30日
-
JAしまね「ファミマフードドライブ」を通じて食品寄贈 地域支援拡大の仕組みを構築2025年1月30日
-
「北海道スマートフードチェーンプロジェクト事業化戦略会議2025」開催 農研機構2025年1月30日
-
今年いちばん「うまい米」第11回「お米番付」最優秀賞など発表 八代目儀兵衛2025年1月30日
-
茨城県のブランド豚肉を堪能「常陸の輝きメニューフェア」2月1日から県内のレストランで開催2025年1月30日
-
「日本さつまいもサミット」今年度の特選生産者8組が決定2025年1月30日
-
【人事異動】協友アグリ(1月29日付)2025年1月30日
-
【人事異動】東邦化学工業(2月1日付)2025年1月30日
-
【役員人事】クミアイ化学工業(1月29日付)2025年1月30日
-
彦摩呂が驚く 南アルプス市のおいしいもの「タベサキ」新番組スタート2025年1月30日
-
農業課題解決と技術革新へ 広沢技術振興財団ものづくり技術助成事業に採択 AGRIST2025年1月30日