消費者目線で栽培から出荷を確認 微生物農法実践産地「沃土会」パルシステム埼玉2024年12月17日
生活協同組合パルシステム埼玉は12月12日、有限会社沃土会(深谷市)で消費者が生産者とともに青果の栽培履歴を監査する「公開確認会」を開催。微生物による土づくりなど微生物農法を実践する圃場で、利用者と全国の生産者など73人が生産者の説明を直接聞き、生産の過程を確認した。
圃場内で生産者の説明を聞く参加者
公開確認会は、全国にある産直提携産地の作物の生産工程や栽培履歴、農薬削減に向けた病害虫防除の対策を消費者の目で確認するパルシステム独自の制度。各種帳票を確認する「監査人」を務める利用者は、栽培・出荷履歴など評価基準のレクチャーを事前に受け、産直産地に向かう。
沃土会の公開確認会では、圃場近隣の岡部公民館で生産者の小野塚陽輝さん、金井修己さん、矢内源太さんによる産地紹介のプレゼンを聞いた後、生産者との昼食交流で消費者の視点も伝え相互理解を深めた。
午後は監査人の5人が岡部公民館で、同じく産直産地の農事組合法人葉菜野果産直(茨城県茨城町)の生産者塙正樹さんとともに帳票類を確認。ブロッコリーの圃場視察では、病害虫の防除対策などを利用者自身の目で確認をした。
会の締めくくりには、監査人が「品目ごとの栽培日誌など、分かりやすく整理されていた。沃土会が販売会社、生産組合として、それぞれの役割をさらに進化させていくことを期待します」と所見を述べた。
産地からは「公開確認会があることで、産地と利用者、パルシステムの3者が生産から流通までを把握し、魅力を発信できると感じる。今回、指摘を受けた点は早急に改善し、沃土会が産地としてさらにステップアップできるよう努力します」と受け止めのあいさつがあり、引き続きの利用継続やさらに深い関係性構築への期待が寄せられた。
総勢73人の参加で開催された公開確認会
沃土会は1980年設立当初から、稲わらや油かす、鶏糞などの有機質を土壌に返し、微生物の分解で肥沃な土を作り、化学肥料や化学合成農薬に頼らない環境保全型農業を推進してきた。パルシステム埼玉の前身組織と1983年に産直提携し、2011年には南埼玉産直ネットワーク、パルシステム連合会とともに、埼玉産直協議会『農・彩・土』を設立した。
協議会を通じた生産者と消費者の交流や地産地消により、県内農業の発展と環境保全を推進し、年間を通した「はたけの学校」開催などで、利用者との相互理解と信頼を深めている。
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