ベトナムで農地管理改善カーボンクレジット登録へ 出光興産、Lasuco、サグリが協業2024年12月24日
出光興産、Lam Son Sugar Cane Joint Stock Corporation(Lasuco)、サグリの3社は、ベトナム・タインホア省において、サトウキビ畑由来のカーボンクレジット創出プロジェクトを共同で実施。Lasucoの契約農家が耕作するサトウキビ畑において、サグリの衛星解析技術によるモニタリングを活用した環境再生型農業を推進し、一酸化二窒素など温室効果ガスを削減することでカーボンクレジット登録を目指す。2026年の事業化へ向けて、2025年から実証を開始する。
3社による調印式
同実証では、Lasucoの契約農家が耕作する約500ヘクタール(東京ドーム約110個分)の農地を対象に、サグリの衛星解析技術によるモニタリングを活用した環境再生型農業を実践する。衛星解析技術は、衛星データを基に農地の土壌状態や作物の生育状況を把握する技術。施肥の種類・量・タイミングなどの最適化および作業効率化を図ることができ、その結果、温室効果ガスの削減に役立てることが期待される。
サトウキビ畑(写真提供:Lasuco)
具体的には、衛星解析技術を活用した化学肥料の削減と有機肥料の適正使用を通じて一酸化二窒素の削減と土壌炭素貯留量の増加を図り、温室効果ガス削減・カーボンクレジット登録を検証する。
同実証を通して温室効果ガスの削減効果が十分に確認された場合、世界最大手のカーボンクレジット認証機関であるVerraが定める農地管理改善方法論(VM0042)を使用したカーボンクレジット認証手続きを行う。2026年以降に事業化を図り、対象農地を約8000ヘクタールへと拡大を予定。当該方法論を適用するカーボンクレジットがVerraにより認証されれば、ベトナム国内では初めてのVM0042によるクレジット登録となる。
ベトナム政府は2050年までに温室効果ガス排出ゼロを目指している。主要産業の一つである農業分野での脱炭素化も必要となり、同プロジェクトはベトナム農業の脱炭素化に貢献。また、ベトナム国内の他地域、他作物や近隣他国におけるカーボンクレジット創出プロジェクトの展開を視野に入れて検討を進める。
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