マリン・エコラベル認証「真ほっけ開き」注文開始 漁獲制限などで資源管理 パルシステム2025年1月15日
パルシステム連合会は1月13日、商品包材にマリン・エコラベル認証マークを表示したオリジナル商品「礼文島船泊の産直・旬の真ほっけ開き」の注文受付を開始。原料のホッケは水産産直提携を結ぶ船泊漁業協同組合(北海道礼文郡)が、取り過ぎずに育てる資源管理型漁業を実践し漁獲している。
2024年度にパルシステム神奈川で開かれた「船泊浜の母さん料理教室」の参加者
1月から供給される
「礼文島船泊の産直・旬の真ほっけ開き」(左)。背面に「MEL認証」マークを表示
船泊漁協は2022年に水産エコラベル認証である「MEL(マリン・エコラベル)認証」を取得した。商品へのマーク表示に必要である、原料を分別管理して流通加工させる「CoC認証」を2023年9月に取得している。パルシステムではこれを受けオリジナル商品の包材へのマーク表示を準備し、このほど商品を供給する。
船泊漁協では2010年代、ホッケ漁獲量が最盛期の3割程度にまで減少したことで、資源管理型漁業へと舵を切った。ホッケ産卵期である秋冬漁の自主規制や未成魚がかからないよう網目サイズを大きくするなど、10年以上にわたり対策を進め、漁獲量の回復とMEL認証取得に至った。
MEL認証は、持続可能な水産品を認証する日本発の制度。水産資源の持続的な利用や環境や生態系の保全・管理に取り組む漁業や養殖業が認証される。国際基準に適したエコラベルかを審査するGSSI(世界水産物持続可能性イニシアチブ)でも承認されており、世界基準の規格としても認められている。
相互理解による持続可能な生産と消費
パルシステム連合会は2019年、船泊漁協と北海道漁業協同組合連合会の3者で産直提携を締結。住民がいる日本最北端の離島である礼文島は、ロシア国境に位置する。領海や排他的経済水域の観点からも、島での漁業操業の存続は国にとっても重要な課題となる。
パルシステムは、環境保全、資源管理型漁業を推進する船泊漁協を応援するため、ホッケやタラ、ウニなどの商品取引をはじめ、利用者と漁業者の交流の場を設けるなど島の漁業への理解を深めてきた。漁協では礼文島から関東各地の利用者の元を訪れ、「浜の母さん料理教室」として、産地の魚介をおいしく食べる調理法や守り育てる漁業の現状などを伝えている。
パルシステムは2009年、水産方針を策定し、海の環境保全や国内水産業再生を目的に水産業・漁業者と連携して水産の産直を進めてきた。方針には「日本の魚食文化を大切にする」ことも掲げ、漁業者と消費者の相互理解や交流を通じた食育活動も推進している。
2024年度は、日本の水産業を応援する「お魚食べよう」キャンペーンを展開。魚食のアイディアや魚の豆知識、水産業に関わる人たちのメッセージなど伝え、見て、知り、食べ、楽しむことを提案している。
北海道から沖縄まで、全国15の水産産直産地には、利用者をはじめ配送現場などの職員が訪問し、生産現場の視察や体験、交流を通して水産業の現状を体感。生産者もグループ内地域のイベント会場まで足を運び、産地での資源管理型漁業のようすや魚介類の特徴、地元ならではの食べ方などを伝えている。
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