鹿嶋市、キユーピーなど6者連携 プラスチック容器の循環へ包括連携協定2025年2月18日
茨城県鹿嶋市、リファインバース、三菱ケミカル、東洋製罐グループ、キユーピー、カスミの6者は2月14日、茨城県内におけるプラスチック容器の循環を目指すことを目的に包括連携協定を締結した。「プラリレープロジェクト」と称する取り組みで、自治体と回収業者、素材メーカー、容器メーカー、食品メーカー、小売りの6者がそれぞれの強みをいかした日本初の資源循環を目指す。
左から、鹿島市の田口伸一市長、リファインバースの玉城吾郎氏、三菱ケミカルの坂東健彦氏、
東洋製罐グループの三木逸平氏、キユーピーの浜北剛氏、カスミの伊神里美氏
プラスチック包装容器のリサイクルは、持続可能な環境づくりのために不可欠な課題で、各自治体やメーカー、小売りはそれぞれ多種多様なリサイクルの取り組みを推進している。一方で、缶やPETボトル、ガラスびん、段ボールなど、見た目で分別しやすくマテリアルリサイクルされる容器と異なり、プラスチック容器は見た目が似ていても素材が異なることも多く、素材毎の分別回収とリサイクルは難しい。そこで、製造・販売・回収・再生・再製品化を行う各プレーヤーが協働し、鹿嶋市でケミカルリサイクルを用いたプラスチック容器の循環を目指すことで合意した。
プラリレープロジェクト
この取り組みでは2025年夏ごろを目途に、鹿嶋市内で排出された使用済みプラスチックをリファインバースで回収・一次加工し、三菱ケミカルが新設したケミカルリサイクルプラントで再資源化。その再生プラスチックを東洋製罐グループにて容器を製造、キユーピーにて製品化、カスミで販売し、再度回収するという、循環の実証実験を行う。
実証実験の前後の期間では、鹿嶋市内の公立小中学校で、プラスチック資源の調査学習や各社のプラント見学、リサイクルに関する教育プログラムなどを行う。また、2026年3月までに実証実験や取り組みで見えた課題点やフィードバックを基に、6者共同で「プラスチック容器の循環に関する検証レポート」を作成・発表する予定。
各社の役割
この取り組みでは、生活に身近なドレッシングのキャップや中栓を対象にケミカルリサイクルの循環プロセスを構築。鹿嶋市の公立小学校を対象にドレッシングのキャップや中栓の回収実験を行い、回収されたキャップや中栓をリファインバースで一次処理し、三菱ケミカルにて油化。日本ポリプロ・日本ポリエチレンにて樹脂化、メビウスパッケージングで再度ドレッシングのキャップや中栓に成型し、キユーピーで製品を製造後、カスミ鹿嶋スタジアム店で販売し、また鹿嶋市民の皆様の手元に戻ってくる一連の循環サイクルを実現する。対象商品の販売は2025年夏ごろを予定。
今後は、2025年に実施する実証実験を通して、必要な廃棄物の質と量、再資源化の課題、各種必要な認証や手続き、リサイクル商品の顧客への訴求、リサイクルに必要な費用とその回収方法など、さまざまな課題を検証。その上で、各業界や自治体と新しいルールづくりを推進する。
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