流通:食は医力
【シリーズ・食は医力】第68回 外食は怖い 農業と健康に打撃も2014年12月25日
・変化ある食事が
・炭水化物偏重に
・多すぎる脂肪分
・輸入食材に頼る
年の瀬ともなると外食が多くなるし、忙しいので出前もので済ますことになりがちです。独身生活だと季節に関係なく三食とも外食ということさえあるのでしょう。
今日は外食や出前の注意すべき点について考えてみますが、その前に良いところにも簡単に触れておかないと不公平かもしれません。
◆変化ある食事が
即ち、
(1)時間が節約でき簡単に食べられて後片付けもいらない、
(2)店を変えて変化のある料理を楽しめる、
(3)プロの腕を味わうことは自炊にも生かせる、
(4)作りすぎや材料を使い残してしまうムダが防げる、
といったところでしょうか。
とはいえ、質や量からいうと、外食や出前には用心すべきことがたくさんあります。もちろん中には良い外食もたくさんあることは当然ですが、念のため。
◆炭水化物偏重に
さて問題の第1ですが、外食のほとんどは野菜や海藻が極めて少なく、炭水化物が圧倒的なことです。カツ丼などどんぶりもの、ラーメン、うどん、そば、寿司、カレー、ピザ、どれも似たようなものでしょう。この種のものばかり日に二度、三度と食べていては、栄養バランスは明らかに崩れ、健康を損ないます。外食の前後には家で野菜や海藻を多めに取るよう心掛けたいですが、なかなかそうもいきませんよね。
ということで、たとえば定食風のメニューがある店で、焼き魚定食などで味噌汁におひたしやヒジキの煮物などが添えられているのを選べれば理想的です。
そもそも客が若者だろうと老人だろうと、同じ量のご飯や麺が提供されるのは困ったものです。多すぎると思ったら残す勇気をもちましょう。握りずしのご飯を残すのはかなり勇気がいりますけれども…。
◆多すぎる脂肪分
第2の問題点は、脂肪分が多すぎることです。トンカツやフライドチキン、エビフライ、ギョーザなど油で揚げたものについ手が出てしまうのは、やはり油がおいしいからでしょう。
甘いものもそうですが、おいしいものほど用心しないといけません。脂肪過多の食は何よりカロリー過多となるし、これに多量の炭水化物が加わったらカロリーの塊のようなものです。
しかも安い店だと良質の油など期待すべくもないし、そういう店に限って厚い衣なのですね。そんなときは衣を半分くらい残してみましょう。小指くらいのエビが現れてビックリするかもしれませんが、エビも高いので店のほうも大変なのですよ。
揚げ物の油はほとんどリノール酸で、その取りすぎはさまざまな病気や痴呆の原因となることがわかってきています。揚げ物ばかりの食事は健康の敵といって過言でないので、外食の多い人は気をつけてください。
◆輸入食材に頼る
第3に外食は濃い目の味付けが多く、調味料や塩分が多い点です。業務用の調味料と塩は取らないほうがいいくらいなので、取りすぎはもちろん×です。麺の汁はできるだけ残しましょう。最後の汁が旨いんだよね、などと言わずに。
第4に短時間でひたすら飲み込む食事になりがちな点。食べ物は常によく噛むことが大事です。
第5に私が最も強調したい点、それは材料がどのようなもので、どこで生産されたか全くわからないことです。
安いほどいいというのは食の場合は間違いで、安さが取り柄の店ほど危ない食材が使われている可能性が大きいと思いましょう。
店で買う野菜などには産地が明記されていますが、外食は表記の義務がありません。せめて主要具材だけでも表記すべきところですが。
外食は輸入品に圧倒的に頼っていますから、食の安全という視点からは、外食産業が増えすぎるのは心配です。
ただし、昨今の円安で輸入食材の競争力が国産品に対して弱まるので、外食産業でも国産ものへの回帰が現れるかもしれません。その限りでは円安効果に期待します。
外食はある程度までは便利ですが、消費者が賢い行動をしないと、日本の農業と、自分の健康と、両方に大きな打撃をもたらしかねないということ。これが今回の結論です。
重要な記事
最新の記事
-
新春特別講演会 伊那食品工業最高顧問 塚越寛氏 社員の幸せを追求する「年輪経営」2025年2月5日
-
【浜矩子が斬る! 日本経済】通商政策を武器化したトランプ大統領2025年2月5日
-
「2024年の農林水産物・食品の輸出実績」輸出額は初めて1.5兆円を超え 農水省2025年2月5日
-
時短・節約、家計にやさしい「栃木の無洗米」料理教室開催 JA全農とちぎ2025年2月5日
-
サプライチェーン構築で農畜水産物を高付加価値化「ukka」へ出資 アグリビジネス投資育成2025年2月5日
-
「Gomez IRサイトランキング2024」銀賞を受賞 日本化薬2025年2月5日
-
NISA対象「おおぶね」シリーズ 純資産総額が1000億円を突破 農林中金バリューインベストメンツ2025年2月5日
-
ベトナムにおけるアイガモロボ実証を加速へ JICA「中小企業・SDGsビジネス支援事業」に採択 NEWGREEN2025年2月5日
-
鳥インフル 米オハイオ州など5州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年2月5日
-
鳥インフル ベルギーからの家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年2月5日
-
JA全農と共同取組 群馬県産こんにゃく原料100%使用 2商品を発売 ファミリーマート2025年2月5日
-
「食べチョクいちごグランプリ2025」総合大賞はコードファーム175「ほしうらら」2025年2月5日
-
農業分野「ソーシャルファームセミナー&交流会」開催 東京都2025年2月5日
-
長野県産フルーツトマト「さやまる」販売開始 日本郵便2025年2月5日
-
佐賀「いちごさん」表参道カフェなどとコラボ「いちごさんどう2025 」開催中2025年2月5日
-
温暖化に負けない兵庫県新しいお米「コ・ノ・ホ・シ」2025年秋に誕生2025年2月5日
-
荻窪「欧風カレー&シチュー専門店トマト」監修「スパイス織りなすビーフカレー」新発売 ハウス食品2025年2月5日
-
伊勢丹新宿店で「徳島フェア」なると金時、すだち牛など販売 徳島県2025年2月5日
-
ポケットマルシェ「買って食べて復興支援!能登づくしセット」販売中2025年2月5日
-
「第7回本格焼酎&泡盛カクテルコンペティション」開催 日本酒造組合中央会2025年2月5日