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「根づくりを通じた作物の収量・品質向上」テーマに講演会開催 2015年7月24日

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土づくり推進フォーラム

 7月23日、東京・千代田区一ツ橋の日本教育会館において、近年注目されている根づくりに焦点を当て、「土づくり推進フォーラム講演会」が開催された。

会場の様子 開会の冒頭、松本聰東京大学名誉教授(土づくり推進フォーラム会長)は「土づくり同様、根づくりも重要であり、今回は根づくりを通じた作物の収量・品質向上をテーマに講演してもらう」と挨拶した。
 会場には、土壌・土づくりの研究者、肥料業界関係者、生産者ら260名余が来場、ほぼ満席の盛会となった。根づくり、土づくりに対する関心の高さが伺える中、フォーラムでは、次ぎのテーマで4つの講演が行われた。

1.「無駄のない施肥方法を根系から考える」=愛知県農業総合試験場 環境基盤研究部環境安全研究室 日置雅之主任研究員
2.「養液栽培を通じて考える、根と土作りと有機農業」=国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構野菜茶業研究所 中野明正上席研究員
3.「耕耘方法等を通じた土づくり」=スガノ農機株式会社 小澤良夫顧問
4.「水稲の根から見た収量・品質向上対策」=福井県農業試験場 井上健一作物部長

 日置氏の講演「無駄のない施肥方法を根系から考える」は、愛知県の主要施設野菜であるナス、トマト、キュウリ、ミニトマト、イチゴ、アオジソの6品種を、計101ほ場を対象に調査したもの。
 作物ごとのほ場の土性、畝幅、畝高、収量、灌水実態、施肥実態から、土を掘り起こしての根系発達程度などの調査を行い、データ化した労作だ。持続性の高い農業生産や、肥料価格の高騰に対応するため、無駄のない効果的な施肥を行うことを目的としたものだ。
 中野氏の講演は、植物工場のような生産体系が注目される中、高効率生産が可能な養液栽培について説明した。土壌での慣行栽培とは異なる人工培地での栽培の可能性に触れながら、土づくり、根づくりとは何なのかという根本的な問いかけをした講演となった。
 講演の後、松本聰東京大学名誉教授をコーディネーターに総合討論が行われ、盛況裡に閉会した。

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