太平物産の肥料問題 農林水産省2015年11月24日
農林水産省は11月20日、太平物産が国に登録・届出を行い、生産・販売していた普通肥料について、原料の種類記載が不適正な肥料などを多数確認したとして、同社に対し、肥料の保証票の記載を改めるまで出荷停止等の指導を行うとともに、肥料取締法に基づく報告徴収を求めた。
これに先立ちJA全農は11月5日、太平物産(株)から購入している肥料について、原料や配合割合が肥料袋の表示と異なるものが多数あるとして、同社の4工場で製造されている783銘柄について出荷の停止・回収等の措置をとったことや、有機JASや特別栽培農産物に使用していた場合、これらの規格に該当しない可能性があることから、有機JASや特別栽培農産物のマークを表示しないよう要請していることを公表した。
農林水産省はこうした動きを踏まえ、肥料取締法に基づき、独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)に対し、立入検査を指示した。FAMICによる立入検査は、11月6日から16日にかけて太平物産(株)の直営4工場と委託生産しているとされた9工場において行われた。このうち実際に生産していたのは次の7工場であることが確認された。
○太平物産秋田工場(秋田市茨島3丁目)
○同青森工場(青森市大字三内字丸山)
○同関東工場(茨城県稲敷郡阿見町)
○同渋川工場(群馬県渋川市川島)
○同九十九里工場(千葉県山武郡九十九里町・委託)
○同袖ヶ浦工場(千葉県袖ヶ浦市北袖・委託)
○同鴨川工場(千葉県鴨川市田原・委託)
この7工場において、肥料の包財(肥料袋)が確認された621銘柄を検査対象とした。立入検査により取得した製造指示書に基づき、安全性に懸念のある原材料は使用されていないことを確認した。また同検査で収去した肥料34サンプルについて、カドミウム及びヒ素の分析を実施した結果、これら重金属等の含有量が公定規格の上限値を下回っていることを確認した。当該肥料が使われた農産物の安全性に問題はない、ということだ。
ただし621銘柄中、386銘柄で製造設計書の内容と異なる製造指示書により、肥料を製造していたことが判明、原料の種類の記載不適正等の法律違反が確認された。235銘柄については法律違反は確認されなかった。
農林水産省は11月20日、同社に対して違反事項の原因究明及び再発防止策などについて、法に基づく報告徴収を求めた。JA全農に対しては同日、今回法違反が認められた肥料について、JA全農が行っている自主回収を徹底し、その結果を報告するよう指導通知を出した。
森山農林水産大臣は同日の記者会見で「肥料製造業者が行った、消費者、生産者への目線を欠いた行為は極めて遺憾」とし、何故このような事が行われたのか、の問いに「製造する側の意識に過ちがあった」ものと述べた。
同日、JA全農は天野徹夫肥料農薬部長らが出席して「肥料の回収および農産物への対応」について、記者説明会を開催した。太平物産(株)の肥料を使用して栽培した農産物は、「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」に適合しない場合がある。このため生産者・JAは同社の肥料を使用して栽培した農産物は「特別栽培農産物」等と表示せず、慣行農産物として出荷・販売してもらうよう、要請している。
またJA全農は、同社が販売した肥料の化学肥料由来窒素と有機由来窒素の含有量を調査した。この窒素含有量をもとに肥料成分の再計算を行い、「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」(地域の慣行レベルに比べ、化学肥料窒素成分量が50%以下で栽培されているか)に合致しているのかの判断に活用してもらうため、計算可能な768銘柄の窒素全量、化学肥料由来窒素含有率、有機由来窒素含有率を公表した。
(関連記事)
・太平物産(株) 肥料の含有窒素量など公表 JA全農 (15.11.20)
・肥料回収対象修正 30銘柄 品質問題ない JA全農 (15.11.11)
・表示と異なる肥料販売 JA全農が回収へ (15.11.06)
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