ミツバチなどによる経済効果4700億円 農環研が推定2016年2月8日
農業環境技術研究所(農環研)が、花粉を運ぶ昆虫等(送粉者)が日本農業にもたらしている利益(送粉サービス)の経済価値を推定した。
2013年時点での送粉サービスの総額は約4700億円で、日本の耕種農業の産出額約5兆7000億円の8.3%に相当する。
このうち約1400億円がセイヨウミツバチやマルハナバチなど、人為的に放育される昆虫(飼養昆虫)、3300億円が野生送粉者(ポリネーターともいう)が提供する送粉者が提供する送粉サービスによる経済価値(図)だ。
都道府県別にみると、青森、山形、山梨、長野、和歌山、鳥取、熊本など果実類の生産が盛んな県での送粉サービスの依存度が高くなっている。青森県では耕種農業産出額の27%を送粉サービスに依存している。
世界的に主要な送粉者である野生ハナバチ類や飼養昆虫であるセイヨウミツバチの減少が報告されているが、この研究から「送粉者の減少が農業生産、とくに果実類や果菜類の産出額に与える影響の大きさを示すことができました。地域・作目によって度合いは異なりますが、環境の変化によって送粉者が減少することは、生産量の減少や人工授粉等の手間等の生産コストの増加に直結」すると農環研は分析している。
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