遺伝子組換え作物が20周年2016年4月15日
国際アグリバイオ事業団(ISAAA)は、バイテク/遺伝子組換え(GM)作物の世界的商業栽培の栽培状況についての年次報告書「バイテク作物のグローバル商品化20周年(1996年から2015年)および2015年のバイテク作物に関するハイライト」を発表した。
◆20年で栽培面積100倍に
これによると、2015年のGM作物の栽培面積は1億7970haで、これは初めてGM作物が商業栽培された1996年の170万haの100倍に相当する。そして96年以来の延べ栽培面積は20億haとなり、これは「中国あるいは米国の国土面積の2倍以上に相当する」という。
そして現在までにGM栽培が行われている国は、28カ国で、「毎年1650万世帯の小規模な農業生産者とその家族、会わせて6500万人の貧困が緩和された」という。
2015年の栽培面積は、14年の1億8150万haに比べると1%減少しているが、これは「主として2015年の農産物価格の低下による栽培面積全体の減少によるものであり、農産物価格が回復すれば栽培面積も増加する」とISAAAでは見込んでいる。
◆ベトナムでGMトウモロコシ栽培
2015年のトピックスとしては、米国で、発がん性があるとされるアクリルアミドの生成と物理的損傷による変色を抑えた第一世代innateジャガイモ、それに疫病抵抗性を付与した第二世代innateが承認された。ジャガイモは世界の食用作物として第4位であることから注目されている。
また、世界初のゲノム編集による非組換え作物のSUCanolaが商業栽培されたこと。さらに複数の形質をもつ「スタック形質」作物が、5850万ha栽培されたが、これはGM作物栽培面積の33%を占め、14年より14%の増加となっている。
ベトナムでは、初のGM作物として害虫抵抗性と除草剤耐性をもつ(スタック形質)のトウモロコシ栽培をした、ことなどが挙げられている。
今後については、既存のGM作物市場では「すでに高い割合(90%から100%)で、GM作物が導入されており、拡張の余地は少ない」が、「栽培をはじめてまもない国々では、特定のバイテク作物の栽培面積が拡大する可能性が高い」とし、とくにGMトウモロコシでは「世界で栽培面積が約1億ha増加する可能性がある」とみている。
また開発段階にある85以上の新製品でほ場試験が実施されているという。それにはアフリカのための水効率の良い乾燥耐性トウモロコシや、アジアでのゴールデンライス、アフリカの栄養強化バナナや害虫抵抗性ササゲが含まれているとしている。
詳細についてはhttp://www.isaaa.orgで。
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