落差がなくても水力発電 福岡工業大学が小水力で開発2016年4月15日
水中翼の往復運動で発電する小水力の発電方法を福岡工業大学が開発した。落差が不要で低流速から発電できる。また水車のような高速回転部を持たず構造もシンプルで設置もし易い。
この発電方法は「フラッター水力発電」といい、水中翼が流れの方向に対して左右に往復運動することで発電。ちょうど飛行機が上昇するときの主翼のように、流れに対して傾きを持つことで、水中翼を動かす力が発生する。水中翼は端まで動くと自動で向きを変え反対側に動く。
水中翼のつながった部分はちょうど機関車のピストンに似た動きで、発電機を一定方向に切れ目なく回転させる。同大学は「フラッター水力発電装置」に関する技術発明の特許を取得した。
これまで普及している水力発電装置は水路に落差をつけて水流を速める水車やプロペラを高速回転させるもので、そのための工事が必要で費用がかかる。これに対してフラッター水力発電装置は普通の水流でも十分発電できるため容易に設置できる。またゴミの付着や詰まりにも強く、水中生物にも安全といった特徴がある。
農業用水路を使った小水力発電の普及が望まれているが、設置のための現状変更は農業用水の特性から、許可されないケースが多い。フラッター発電装置は、そのような場所でも設置できる。
また緩やかな流れでも発電できるためLED外灯の点灯や災害時の非常用電源、電動用農機具への夜間充電などへの活用が期待される。問い合わせは福岡工業大学広報課(電)092-606-0607。メールアドレスはkouhou@fit.ac.jp。
(写真)熊本県阿蘇郡南阿蘇村に設置しているフラッター水力発電装置、装置を上からみた図
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