移動式解体処理車が稼働へ-日本ジビエ振興協議会2016年8月15日
シカ、イノシシなどの捕獲現場の近くまで移動し、内蔵摘出、剥皮から枝肉にするまでの一次処理を車内で迅速に行うことができる移動式解体処理車のお披露目会が8月8日に東京都内で行われた。
主催のNPO法人日本ジビエ振興協議会の藤木徳彦理事長は「70kgもあるシカを山の下に降ろすのは重労働。移動式解体処理車は衛生的に処理することができる。ジビエを食肉として食べる文化として定着するよう、これからも活動していきたい」などと話した。
来賓として自民党のジビエ議連会長の石破茂前地方創生担当相が出席した。
石破氏は「捕獲されたシカ、イノシシの8割は埋められている。山が荒れたから獣害が増えたのだが自然の恵みに感謝していくことも大事。おいしい肉にするには捕獲から2時間が勝負とも言われているが移動車が近くに行く」と期待を寄せた。
この移動式解体処理車は同振興協議会と長野トヨタ自動車(株)の共同開発。捕獲した動物の屋外洗体エリアから室内解体エリアへ移動して解体する。徹底した衛生管理を実現するため屋外洗体エリアと解体室は閉鎖する構造。また、解体室と枝肉の冷蔵室の間には前室があり、手を使わず自動ドアで開閉できる。山中に入って作業することから汚水はすべて持ち帰る仕様とした。
山間部などのジビエの利活用の向上、夏場の捕獲個体の利活用、捕獲個体の鮮度保持、一次処理施設の代替などのメリットがある。1台1700万円。 同協議会の藤木理事長は「長野に転居して鳥獣害を目の当たりにした。収穫直前に全部被害に遭う農家の気持ちは切実。増えすぎたものを利活用できないかと活動を始めた。今後は牛肉や豚肉などと同じようにスーパー店頭に並ぶようになれば」と話す。
お披露目会にはJA全中の大西茂志常務とJA全農の小原良教常務も来賓として出席した。JAグループも鳥獣害対策は大きな課題としており、JAビル4階の「農業・農村ギャラリー ミノーレ」で10月にジビエの活用などの情報発信をしている。今後も鳥獣害とその対策の重要性を発信していくという。
(写真)移動式解体処理車の内部、関係者による出発セレモニー
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日