ドローン空撮画像でほ場マップの位置精度誤差数センチに 農研機構2019年7月16日
農研機構は、市販の小型受信機を使って、みちびきなどのGNSS情報を利用し、ドローン用対空標識の位置情報を計測する方法を解説したマニュアルを公開した。ドローン画像の解析ソフトと合わせて使えば、ほ場内の地面の凹凸や作物の生育むらを誤差数センチレベルの精度でマップ化できるようになる。
ドローンの空撮画像を活用した農作物の生育診断やロボット農機具の開発など、スマート農業の実現に向けた先端技術の導入が進んでいる。
その一つでドローンの空撮画像からマップを作成する場合、空撮時に用いる目印(対空標識)の正確な位置情報(緯度・経度・標高)の計測が必要だが、計測には高度な専門知識や高額な専用機材の初期導入コストがかかる。
こうした問題に対応するため農研機構がつくったのが、対空標識の位置座標を小型GNSS受信機で精度よく計測する手順を解説した技術マニュアル。これにしたがって作業すると、従来の方法より安価で手軽に計測できるようになる。例えば、市販のドローンと専用機材の10分の1以下の1台10万円程度の小型GNSS受信機を導入することで、対空標識の位置座標を簡単に誤差数センチの精度で測定できる。また、解析に用いるソフトウェアは無料で使え、1人で測定できる。
こうした位置情報の計測は、精緻な位置情報を持つ不陸(凹凸)マップや作物生育マップを作成するために不可欠な技術の一つ。この成果は効率的なほ場管理の実現など農業分野に限らず、位置情報にもとづくきめ細やかな作業や管理を行うための空間情報インフラ整備に貢献するという。
このマニュアル(PDF形式)は小型GNSS受信機を用いた高精度測位マニュアル (ドローン用対空標識編) (農研機構のホームページ)でダウンロードできる。
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