牧草の優良系統をAIが評価しドローンで省力化 スマート育種評価法を開発 農研機構×バンダイナムコ2020年3月13日
農研機構はバンダイナムコ研究所と共同で、ドローンと人工知能(AI)の深層学習(ディープラーニング)を用いて、育種家の代わりに行う牧草育種評価法を開発した。これまで育種家が畑を2時間以上歩いて肉眼で観察していた作業を、5分程度で行えるようになる。
AIによる優良個体選抜の概念図
この育種評価法を利用すると、約1000株の牧草畑の場合、これまでは育種家が優良な牧草を選び出すために、畑を2時間以上歩いて肉眼で観察し、牧草を一株ずつ評価していたところを、ドローンで撮影した画像から、あらかじめ学習させておいたAIが、この作業を5分程度で行えるようになる。
農研機構は、オーチャードグラス高糖含量品種「えさじまん」やフェストロリウム高越冬性品種「ノースフェスト」を育成するなど、牧草育種に関する高いノウハウと技術力を持ち、これまでにドローンを用いた新しい育種評価法の開発に取り組んできた。
今回、バンダイナムコ研究所がエンターテインメント分野で培ってきた高度なAIの技術力を取り入れることで、最新のICT・AI 技術を導入した革新的な育種評価法の開発につながった。
日本の畜産物生産については、増加する消費に対応して規模拡大と頭数の確保を行うことと併せ、ICTやロボット技術の導入による生産性の向上を図る必要がある。これを実現させるための技術革新の一つに飼料作物の育種の効率化がある。
これまでの牧草の個体選抜は、育種家の評価可能な個体数に限界があるため、選抜対象にできる個体数は限定されていた。しかし、同手法を用いることで、たくさんの個体数を評価できるようになり、より多くの優良個体が選抜できる可能性も高まる。
写真下:育種畑の空撮画像
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(139)-改正食料・農業・農村基本法(25)-2025年4月26日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(56)【防除学習帖】第295回2025年4月26日
-
農薬の正しい使い方(29)【今さら聞けない営農情報】第295回2025年4月26日
-
1人当たり精米消費、3月は微減 家庭内消費堅調も「中食」減少 米穀機構2025年4月25日
-
【JA人事】JAサロマ(北海道)櫛部文治組合長を再任(4月18日)2025年4月25日
-
静岡県菊川市でビオトープ「クミカ レフュジア菊川」の落成式開く 里山再生で希少動植物の"待避地"へ クミアイ化学工業2025年4月25日
-
25年産コシヒカリ 概算金で最低保証「2.2万円」 JA福井県2025年4月25日
-
(432)認証制度のとらえ方【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年4月25日
-
【'25新組合長に聞く】JA新ひたち野(茨城) 矢口博之氏(4/19就任) 「小美玉の恵み」ブランドに2025年4月25日
-
水稲栽培で鶏ふん堆肥を有効活用 4年前を迎えた広島大学との共同研究 JA全農ひろしま2025年4月25日
-
長野県産食材にこだわった焼肉店「和牛焼肉信州そだち」新規オープン JA全農2025年4月25日
-
【JA人事】JA中札内村(北海道)島次良己組合長を再任(4月10日)2025年4月25日
-
【JA人事】JA摩周湖(北海道)川口覚組合長を再任(4月24日)2025年4月25日
-
第41回「JA共済マルシェ」を開催 全国各地の旬の農産物・加工品が大集合、「農福連携」応援も JA共済連2025年4月25日
-
【JA人事】JAようてい(北海道)金子辰四郎組合長を新任(4月11日)2025年4月25日
-
宇城市の子どもたちへ地元農産物を贈呈 JA熊本うき園芸部会が学校給食に提供2025年4月25日
-
静岡の茶産業拡大へ 抹茶栽培農地における営農型太陽光発電所を共同開発 JA三井リース2025年4月25日
-
静岡・三島で町ぐるみの「きのこマルシェ」長谷川きのこ園で開催 JAふじ伊豆2025年4月25日
-
システム障害が暫定復旧 農林中金2025年4月25日
-
神奈川県のスタートアップAgnaviへ出資 AgVenture Lab2025年4月25日