農業情報基盤「RightARM」

　ターゲットは、蓄積したデータを活用し、現場のデジタル化を推進したいと考える農業経営者やＪＡ、県市町村、外郭団体など産地のリーダー。栽培管理システムや環境モニタリング、環境制御システム、自動選果ラインが産地に普及する中、蓄積したデータを活用し、産地経営力の強化を図り、売上向上とコスト削減を実現する"出荷予測（収穫予測）"をめざす経営者たちだ。

　しかし、現在はデータを蓄積しても、個別業務に活用されるのみで、契約先・系統・産地という単位での活用はできておらず、データも現場担当者が自由に単位を設定して入力するケースが多い。その結果、スマート農業などを導入・実証する際に、過去のデータが活用できない、活用に時間がかかるという問題も発生している。

　多種のセンサー・システムのデータフォーマットに対応したオープンプラットフォームで構築されたRightARMを活用することで、スマート農業における余分な投資コストを抑え、効果的にデータを見える化・分析することができるようになる。

　また、農業に特化した経営分析のフレームワークを開発する同社は、多面的に経営分析や効果検証を行うことが強み。昨年からはスマート農業実証プロジェクトや、高度先端型技術実装促進事業を通じ、この問題と現場で向き合ってきた。

出荷予測実証サービス

　RightARMを活用した「出荷予測実証サービス」は、農業経営者が蓄積してきたデータが、出荷予測に合った形かどうかを判定・解析する「予測準備型」と、実際にモデルを構築し、実証と要因調整を行っていく「予測開始型」2つのメニューを用意。予測準備型では、判定・解析後に出荷予測の実証を行うためのデータフォーマットについての提案も行い、農業経営者が経営を前に進めるためのアシストをする。

　システム導入にかかる費用は、準備型が150万円。開始型は準備型の結果によって変動し、300～600万円で予測実証後の次年度保守費用が、60万円/年間。

　準備型にかかる期間は3～4カ月程度。まずは、サービスの前提条件に合意し、めざすゴール（目標）設定を行った後、実証プロジェクトがスタートする。オプションとして、データ活用について理解を深めるための「営農研究会」や「農業経営塾」などワークショップも行う予定。

導入の流れ