高石野施設野菜生産組合の事業承継しIoT農業として再生ー八幡平スマートファーム2020年6月18日
IoTを活用した次世代型施設野菜栽培などを手がける(株)八幡平スマートファーム(岩手県八幡平市)は、地熱を活用した熱水ハウスを再生する岩手県八幡平市との企業立地協定に基づき、高石野施設野菜生産組合の事業を承継した。
同組合は十和田八幡平国立公園の麓で1966年に日本初の商業用地熱発電所の運転を開始。1984年からは施設野菜団地を熱水ハウスの手法で取り組んできた。事業承継により、2haの未活用ハウスをIoT次世代施設園芸への転換。持続かつ発展的なIoT農業として再生した熱水ハウス12棟を完成し稼働を開始した。
高石野施設野菜生産組合は、八幡平市の地権者が1966年に日本初の商業用地熱発電所を運転開始。その後国の観光・農業振興施策による支援で施設野菜団地の整備を進め、1984年に熱水ハウスの手法を用い十和田八幡平国立公園の麓で花卉栽培を中心に取り組んできた。
こうした中、熱水ハウスは高齢化による離農や施設老朽化の問題もあり未活用施設が多いことが課題となっていた。このため、持続かつ発展的に農業経営ができる人材を都市部から呼び込み、さらに新規就農者向けIoT技術習得支援の場としても機能するよう再構築を進めてきた。
2019年8月には、高石野施設野菜生産組合の事業を八幡平スマートファームが継承することが決定。2haの未活用ハウス50棟のうち12棟建設をIoT次世代施設園芸へ転換することで、八幡平市の経済発展に貢献していく方向を定めた。
その後、地熱を活用した熱水ハウスを再生する八幡平市とIoT活用による農業振興の新たなビジネスモデルとして「スマートファームプロジェクト」を推進した(株)MOVIMAS(東京都新宿区)が、IoT農業振興を目的に包括連携協定を締結。さらに、農地法に定める農地所有適格法人の八幡平スマートファームを2019年1月に設立した。
今後は、高石野団地に12棟のバジル栽培ハウスを中心として事業展開を進め、農業体験や観光農園施設として東洋製罐グループアグリと共同研究を行っていく予定。イチゴやレタスの実証栽培における成果を通し、農業分野、観光分野、地域社会との融和・協調に努め、熱水ハウス50棟をIoT次世代施設園芸として転換拡大していく。
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