ナス多収化栽培技術確立に向け共同研究に着手 タキイ種苗と誠和2020年7月29日
タキイ種苗(株)と農業資材メーカーの(株)誠和は、ハウス栽培におけるナスの多収化栽培技術確立に向けた共同研究に着手する。8月から(株)誠和の研究農場「リサーチパーク鶴」で、タキイ種苗が品種開発したナス「PC筑陽」の栽培を開始する。
単為結果性をもち着果促進処理が不要な「PC筑陽」
農業生産技術が高度化するなか、ハウス栽培などによる作物収穫量増加や品質向上を目的とした施設園芸の高度な環境制御が進んでおり、多収化技術が普及しているトマトやレタスなどは栽培延べ面積を現在までの25年にわたりほぼ維持している。
一方、多収化技術が確立しておらず高度な環境制御技術の導入も進んでいないキュウリ、ピーマン、イチゴなど多くの作物は軒並み減少しており、生産量・出荷量も減少傾向にある。ナスも同様で、過去25年間における栽培延べ面積は34%減少している。
このため、栽培延べ面積が減少しても生産量を維持するため、(株)誠和がトマトで培ってきた環境制御技術を用いた多収化栽培技術を応用。単為結果性(受粉しなくても果実が着果・肥大する性質)をもつ省力化品種ナス「PC筑陽」で多収化栽培技術を確立するため、両社による共同研究に着手したもの。
研究栽培は(株)誠和の研究農場「リサーチパーク鶴」で行い、スマート農業技術も活用しながらデータ化を進める。栽培環境データについては、(株)誠和の「プロファインダークラウド」上で公開し、ナス栽培生産者へ有益な情報をリアルタイムに届けていく。
PC筑陽は、「高い単為結果性で着果作業を省力化」、「トゲなしで作業性に優れる」、「果ぞろいがよく秀品率が高い」、「柔らかな肉質で食味がよい」などの特徴を持つ。
リサーチパーク鶴の高度環境制御ハウス
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