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橙色の加工用サツマイモ2品種を開発 農研機構2020年10月22日

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農研機構は10月20日、オレンジ色の肉色をもつ加工用サツマイモ新品種「あかねみのり」と「ほしあかね」を開発したと発表。2021年春から民間の種苗会社等が苗の供給を開始する予定だ。

「ほしあかね」の干しいもの外観(左は「ほしあかね」、右は「べにはるか」)「ほしあかね」(左)、「べにはるか」の干しいも

食品加工用のサツマイモの多くは肉色が白~黄だが、消費者の嗜好の変化とともに紫サツマイモに代表されるカラフルな品種の需要が高まっている。肉色がオレンジ色(橙色)のサツマイモ品種には「ベニハヤト」や「ヒタチレッド」等があるが、いずれも収量性や加工適性などに難があり、これらを改良した新品種の開発が望まれていた。これを受け農研機構では、チップ等の加工に適した「あかねみのり」と干しいも加工に適した「ほしあかね」の2品種を育成した。

「あかねみのり」のチップ「あかねみのり」のチップ

「あかねみのり」は外観が良く食味が優れる「べにはるか」を母、カロテンを含有し多収性の「作系22」を父とする交配組合せから選抜した品種。いもの形状が揃い、表面の凹凸が少ないので加工しやすい特性を持つ。

チップ加工適性が高く、製品のオレンジ色を帯びた外観と食味は「ベニハヤト」より優れており、原料いもの生産性や製品の品質も高いため、鹿児島県を中心とする加工用サツマイモ生産地帯で「ベニハヤト」の置き換えで導入が見込まれる。また、寒冷地での栽培にも適しているので、北海道では干しいも加工用として新規導入も期待される。

「ほしあかね」はカロテンとアントシアニンを含有し、比較的病虫害抵抗性が優れる「関東136号」を母、でん粉糊化開始温度がやや低く、干しいも品質が優れる「ほしキラリ」を父とする交配組合せから選抜した品種。干しいも加工適性が優れ、干し芋の一部が白っぽく不透明になる品質障害のシロタの発生が少なく、オレンジ色を帯びた透明感のある美しい外観の干しいもとなる。

その食味は「べにはるか」並みかやや優れ、「べにはるか」や「ヒタチレッド」より1割以上多く収穫できる。いもの裂開が少ない形状で加工作業が容易なことから、茨城県を中心とする干しいも生産地帯で普及が見込まれる。
なお、どちらの品種も立枯病に弱いため、発生ほ場では防除を必要とする。

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