六条裸麦の新品種「ハルアカネ」を育成 農研機構2021年1月21日
農研機構西日本農業研究センターは1月19日、多収のウルチ性六条裸麦新品種「ハルアカネ」を育成したと発表した。従来品種に比べ約2割多収で、精麦白度が高いことから収益性の向上が見込まれる。

裸麦は需要に対し生産量が少ない状態が続いており、実需者からは基幹品種である「イチバンボシ」と同等以上の品質で、より多収な品種が望まれてきた。また、大分県などで作付けされている「トヨノカゼ」は、倒伏に弱く収量性が不安定なことから、安定供給が可能な新たな品種転換が求められてきた。そこで農研機構では、これらの品種に替わる早生で高位安定多収の六条裸麦品種の育成を図ってきた。
「ハルアカネ」は早生の裸麦で、主力品種の「イチバンボシ」や「トヨノカゼ」と比べ収量が育成地平均で約2割多く、麦味噌や麦ごはん用の精麦原料に適している。従来の六条裸麦品種よりも穂が長く、健康機能性成分のβ-グルカンを多く含み、千粒重が大きい特徴がある。精麦白度は47.3%と高く、β-グルカン含量は5.2%で従来のうるち性品種より多い。
大粒で高白度の「四R系2252」を母親、早生で多収の「四国裸99号」を父親として交配した。関東以西の温暖地での栽培に適しており、六条裸麦を約700ha作付けしている大分県では、「トヨノカゼ」の後継品種として奨励品種(認定品種)に採用された。2024年産で全面転換し、約750haの作付を計画している。今後は中国四国など、六条裸麦の生産地でも普及・作付けの拡大が期待される。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(138)-改正食料・農業・農村基本法(24)-2025年4月19日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(55)【防除学習帖】第294回2025年4月19日
-
農薬の正しい使い方(28)【今さら聞けない営農情報】第294回2025年4月19日
-
若者たちのスタートアップ農園 "The Circle(ザ・サークル)"【イタリア通信】2025年4月19日
-
【特殊報】コムギ縞萎縮病 県内で数十年ぶりに確認 愛知県2025年4月18日
-
3月の米相対取引価格2万5876円 備蓄米放出で前月比609円下がる 小売価格への反映どこまで2025年4月18日
-
地方卸にも備蓄米届くよう 備蓄米販売ルール改定 農水省2025年4月18日
-
主食用МA米の拡大国産米に影響 閣議了解と整合せず 江藤農相2025年4月18日
-
米産業のイノベーション競う 石川の「ひゃくまん穀」、秋田の「サキホコレ」もPR お米未来展2025年4月18日
-
「5%の賃上げ」広がりどこまで 2025年春闘〝後半戦〟へ 農産物価格にも影響か2025年4月18日
-
(431)不安定化の波及効果【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年4月18日
-
JA全農えひめ 直販ショップで「えひめ100みかんいよかん混合」などの飲料や柑橘、「アスパラ」など販売2025年4月18日
-
商品の力で産地応援 「ニッポンエール」詰合せ JA全農2025年4月18日
-
JA共済アプリの新機能「かぞく共有」の提供を開始 もしもにそなえて家族に契約情報を共有できる JA共済連2025年4月18日
-
地元産小粒大豆を原料に 直営工場で風味豊かな「やさと納豆」生産 JAやさと2025年4月18日
-
冬に咲く可憐な「啓翁桜」 日本一の産地から JAやまがた2025年4月18日
-
農林中金が使⽤するメールシステムに不正アクセス 第三者によるサイバー攻撃2025年4月18日
-
農水省「地域の食品産業ビジネス創出プロジェクト事業」23日まで申請受付 船井総研2025年4月18日
-
日本初のバイオ炭カンファレンス「GLOBAL BIOCHAR EXCHANGE 2025」に協賛 兼松2025年4月18日
-
森林価値の最大化に貢献 ISFCに加盟 日本製紙2025年4月18日