ダッタンソバふすまに高いルチン含有量 農研機構が調製法を開発2021年1月25日
農研機構は1月20日、ダッタンソバふすまに、ダッタンソバ粉の約5倍の機能性成分・ルチンが含まれることを明らかにし、焙煎調理法を確立したと発表した。この成果を活用したルチン高含有の飲料や食品の開発を期待している。
ダッタンソバは近年特産作物として各地で生産され、2017年の全国作付面積は474ha、収穫量は389tで、国産の約8割を占める北海道や長野県で栽培が普及している。ダッタンソバ粉は、子実を粉砕しふるいを通った部分にあたり、その際ふるいを通らずに残ったもののうち、ソバ殻等の大きな物を除いたものをふすまと呼んでいる。ダッタンソバふすまは、ソバ粉製造過程で産出され、その一部は家畜用飼料として利用されているが、大部分は廃棄物として処理される。また、ダッタンソバふすまは雑菌が多く保存性に劣るため、そのままでは飲食用には適さない。ダッタンソバふすまのルチン含有を維持した上で、殺菌効果のある加工法の確立が求められてきた。
そこで農研機構では、ダッタンソバふすまの有効利用に向けた研究を実施。焙煎加工試験(160~240℃、10~30分)を行った結果、160~230℃、10分と160℃、20分の焙煎条件下では、ルチン含量が90%以上維持されることが分かった。さらに、雑菌が多く保存性に劣るダッタンソバふすまの焙煎加工時に色彩値を測定することで、ルチンの減少程度を簡単に推定し、殺菌処理されたルチン高含有の焙煎ダッタンソバふすまの調製法を確立した。
今後、ダッタンソバ粉の製造で発生する未利用資源のふすまの有効利用することで、ダッタンソバ生産者の所得向上につながり、北海道オホーツク管内をはじめとしたダッタンソバ生産地の経済効果が見込めるとしている。
ダッタンソバ粉製造時に得られるふすま(さな粉)のルチン含量
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