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サバクトビバッタ 砂漠で生き延びるための行動を解明 国際農研2021年4月15日

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国際農研は、モーリタニア国立サバクトビバッタ防除センター、フランス国際農業開発センター、メルボルン大学と共同で、厳しい寒暖がある過酷な砂漠環境で、これまで不明だった群生相のサバクトビバッタが生き延びるためにとる行動を確認。その成果を利用して構築した専用モデルによりバッタの体温を推定し、行動予測を可能にした。

砂漠を集団移動中のサバクトビバッタの幼虫(a)  高温時は太陽に顔を向け、太陽光に当たる体表面積を小さくし、背伸びをして熱い地表から体を離す「背伸び行動」(b)砂漠を集団移動中のサバクトビバッタの幼虫(a)

高温時は太陽に顔を向け、太陽光に当たる体表面積を小さくし、背伸びをして熱い地表から体を離す「背伸び行動」(b)

同研究調査では、活発に集団移動している幼虫の群れを対象に、サーモグラフィカメラを用いて様々な時間帯にバッタの体温と周辺の表面温度を測定。温度が低い時は、密集し日向ぼっこ行動をとって体温を高め、温度が高い時は、太陽光に当たる体表面積を小さくし、熱い地表から体を離すなどの行動により体温を下げ、体温調節していることを解明した。温度が低い時には周辺より高い体温を維持し、温度が高い時も約40度を維持することで消化を促進できると考えられる。

また、移動中のバッタの胃の状態を調査した結果、胃は食物でほぼ満たされていた。高温下では食物は速く消化されるため、空腹になりやすいはずだが、群れは移動しながら新たな餌場を転々と利用することで、効率良く採餌と消化を行い、発育を促進していると考えられる。

さらに、得られた体温と行動との関係を組み入れた体温調節行動についてのモデルを構築。気象情報からバッタの体温を推定し、行動を予測することが可能であることを確認した。この成果を利用することで、バッタの行動を予測し、発生予察の精度を高めることが期待される。

同研究成果は「Ecological Applications 」電子版 (日本時間4月7日)に掲載された 。

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