「植物工場」本格稼働 地域での販売も視野 県立広島大庄原キャンパス2021年5月6日
県立広島大学の生物資源科学部(広島市庄原市)は、発光ダイオード(LED)と培養液を活用し、葉物類を屋内で育てる「人工光植物工場」をキャンパス内にオープン。5月6日から本格稼働する。
屋内に設置された水耕棚
植物工場は同大学のフィールド科学教育研究センターで牛舎として使われていた建物(約228平方メートル)を改装してつくられた。屋内に4段の棚と各6個の水耕棚を設置し、サイズは各長さ6.4メートル、幅1メートル、高さ2.2メートル。LED照明で日照時間を調整し、室内の温度や湿度、二酸化炭素濃度などを一定の条件に保つ。栄養豊富な培養液を循環させて水素イオン濃度(pH)や養分量を示す電気伝導度(EC)を制御し、生育をモニターで監視できる仕組みを整えた。人が入る際は、無菌作業服で身を包み、手洗い消毒して栽培にあたる。葉物類ではベビーリーフが約20日、レタスが約40日で出荷でき、1年間13万株の生産能力がある。
庄原キャンパスのある備北地域は農地が点在する中山間地で、年平均気温が仙台市とほぼ同じ寒冷地。積雪のある冬季でも効率よく農作物を生産することが課題となっている。同キャンパスでは2019年から水耕栽培を始め、これまでに学生らの実習の一環として葉物類やメロンなどを試験的に生産してきた。今後は植物工場を活用し、実践教育の機会として生産効率の改善や、学外での販売戦略の構築などを体系的に学ぶために活用する。
担当の甲村浩之教授は「中山間地は農地の条件にも恵まれず、冬場の農業が厳しい。農業の6次産業化や地域課題解決も見据え、生産コストの削減や販路の開拓に取り組みたい」と話している。
生育をモニターで監視できる仕組みを整えた
重要な記事
最新の記事
-
【JA部門】優秀賞 やりがいを感じる仕事で組合員対応力の強化 JAうつのみや TAC・出向く活動パワーアップ大会20242024年11月26日
-
令和6年「農作業安全ポスターデザインコンテスト」受賞作品を決定 農水省2024年11月26日
-
農水省「あふ食堂」など5省庁食堂で「ノウフク」特別メニュー提供2024年11月26日
-
鳥インフル 米オクラホマ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月26日
-
マークアップ上限kg292円に張り付いたSBS入札【熊野孝文・米マーケット情報】2024年11月26日
-
「りんご搾り粕」から段ボール「りんごジュース」出荷へ実用化 JAアオレン2024年11月26日
-
JAかみましきで第22回JA祭を開催 過去最多の来場2024年11月26日
-
鹿児島堀口製茶 DX通信に追加出資 地域農業の高度化と地域創生へ2024年11月26日
-
海の環境保全と国内水産業を応援 サンシャイン水族館で生産者と交流 パルシステム2024年11月26日
-
アグリビジネス創出フェア 農水省ブースに「レポサク」展示 エゾウィン2024年11月26日
-
2大会連続日本一の技術 坂元農場の高品質な牛肉づくりを紹介『畜産王国みやざき』2024年11月26日
-
「プレ節」発売10周年記念 無料配布イベント実施 マルト2024年11月26日
-
不健康な食生活がもたらす「隠れたコスト」年間8兆ドル FAO世界食料農業白書2024年11月26日
-
農業資材などお得に 2025年「先取り福袋」12月1日から予約開始 コメリ2024年11月26日
-
宅配システムトドックに「通販型乳がん検査キット」掲載 コープさっぽろ2024年11月26日
-
食品宅配サービスOisix「鈴鹿山麓育ち みんなにやさしいA2ヨーグルト」新発売2024年11月26日
-
需要好調で売上堅調 外食産業市場動向調査10月度 日本フードサービス協会2024年11月26日
-
気候変動緩和策 土地利用改変が大きい地域ほど生物多様性の保全効果は低い結果に2024年11月26日
-
雨風太陽 高橋代表が「新しい地方経済・生活環境創生会議」有識者構成員に就任2024年11月26日
-
サカタのタネ スペイン子会社がアルメリアで新本社の起工式を実施2024年11月26日