日常時から災害時の被害報告まで「ため池管理アプリ」を開発 農研機構2021年6月25日
農研機構は、農家などため池管理者が、ため池の点検報告ができるスマートフォン用アプリ「ため池管理アプリ」を開発した。国が行政機関向けに運用する「ため池防災支援システム」と連携し、ため池管理者からの報告を反映。災害によるため池の被害や日常管理結果を簡単に報告・共有でき、国や地方公共団体の迅速な災害支援に役立てられる。
ため池管理者による現地点検報告
2019年度に発表した「ため池防災支援システム」は、地震または豪雨時にため池の決壊などの被害状況を全国の防災関係者間で情報共有するための災害情報システム。同システムは2020年4月から農林水産省が運用し、地方公共団体による、災害時のため池の緊急点検に活用されている。
一方、地方公共団体によっては点検報告すべきため池が数百か所と多く、点検に膨大な時間を要する場合があり、情報収集の迅速化に対する要望があったことから、農研機構は、ため池を管理している農家などため池管理者のためのスマートフォン用「ため池管理アプリ」を開発。同アプリにより、災害時のため池の被害状況を、ため池管理者が簡単に報告でき、報告された被害状況は「ため池防災支援システム」を通じて防災関係者の間で容易に共有できる。
同アプリは、スマートフォンのアプリストアで「ため池」と検索し、ダウンロード可能。ため池管理者は、都道府県等の行政担当者から配布される「QRコード」をスマートフォンのカメラで読み込めば利用を日常的に始められる。
日常管理の中でため池の老朽化や管理状況(堤体の草刈りなど)を報告すると、施設の管理状態を評価してアプリに結果を表示。日常的にアプリを使うことで、緊急の災害時にも即座に点検報告ができる。同アプリは地方公共団体も利用可能。ため池管理者からの報告を国、地方公共団体で共有することで、災害時、日常時のため池の管理を適切に行うことが可能となる。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(138)-改正食料・農業・農村基本法(24)-2025年4月19日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(55)【防除学習帖】第294回2025年4月19日
-
農薬の正しい使い方(28)【今さら聞けない営農情報】第294回2025年4月19日
-
若者たちのスタートアップ農園 "The Circle(ザ・サークル)"【イタリア通信】2025年4月19日
-
【特殊報】コムギ縞萎縮病 県内で数十年ぶりに確認 愛知県2025年4月18日
-
3月の米相対取引価格2万5876円 備蓄米放出で前月比609円下がる 小売価格への反映どこまで2025年4月18日
-
地方卸にも備蓄米届くよう 備蓄米販売ルール改定 農水省2025年4月18日
-
主食用МA米の拡大国産米に影響 閣議了解と整合せず 江藤農相2025年4月18日
-
米産業のイノベーション競う 石川の「ひゃくまん穀」、秋田の「サキホコレ」もPR お米未来展2025年4月18日
-
「5%の賃上げ」広がりどこまで 2025年春闘〝後半戦〟へ 農産物価格にも影響か2025年4月18日
-
(431)不安定化の波及効果【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年4月18日
-
JA全農えひめ 直販ショップで「えひめ100みかんいよかん混合」などの飲料や柑橘、「アスパラ」など販売2025年4月18日
-
商品の力で産地応援 「ニッポンエール」詰合せ JA全農2025年4月18日
-
JA共済アプリの新機能「かぞく共有」の提供を開始 もしもにそなえて家族に契約情報を共有できる JA共済連2025年4月18日
-
地元産小粒大豆を原料に 直営工場で風味豊かな「やさと納豆」生産 JAやさと2025年4月18日
-
冬に咲く可憐な「啓翁桜」 日本一の産地から JAやまがた2025年4月18日
-
農林中金が使⽤するメールシステムに不正アクセス 第三者によるサイバー攻撃2025年4月18日
-
農水省「地域の食品産業ビジネス創出プロジェクト事業」23日まで申請受付 船井総研2025年4月18日
-
日本初のバイオ炭カンファレンス「GLOBAL BIOCHAR EXCHANGE 2025」に協賛 兼松2025年4月18日
-
森林価値の最大化に貢献 ISFCに加盟 日本製紙2025年4月18日