県下全域で果樹カメムシ類確認 山林隣接園で多発に注意 香川県2021年8月27日
香川県病害虫防除所は8月25日、県下全域の特に山林隣接園で果樹カメムシ類の発生が多く、カキ、キウイフルーツ、カンキツ、ナシ栽培園の特に山林隣接園で、被害が多発する恐れがあるとして、病害虫発生予察注意報第5号を発表した。
果樹カメムシに吸汁された柿(写真提供:香川県病害虫防除所)
府中果樹研究所(坂出市府中町)の予察灯では、8月23日までのカメムシ類の誘殺数は、平年の2.2倍と多く、特にチャバネアオカメムシの誘殺数は平年の2.5倍。クサギカメムシの誘殺数は平年の3.4倍だった。また、農業試験場(綾歌郡綾川町)の予察灯では、8月23日までのカメムシ類の誘殺数は、平年の2.8倍と多く、特にチャバネアオカメムシの誘殺数は平年の2.8倍。また、クサギカメムシの誘殺数は平年の3.1倍だった。
8月23日の巡回調査によると、すでに綾歌郡綾川町のカキでの吸汁被害が確認されており、今後、県下全域のカキ、キウイフルーツ、カンキツ、ナシ栽培園の特に山林隣
接園で、被害が多発することが懸念される。
防除対策は次のとおり。
(1)施設栽培の場合は、開放口をネット(4ミリ目合い)で覆うとカメムシ類の侵入防止対策と
なる。
(2)圃場内をよく観察し、被害果実やカメムシ類の発生が見られる場合は、早急に防除を実施する。特にスギ、ヒノキ等が周辺に多い圃場や、過去に被害が認められた圃場では注意する。
(3)多発してからの防除は効果が劣る場合があるので、発生初期の防除を徹底する。
(4)成虫は夕方に飛来し夜間加害するので、薬剤散布は夕方に広域かつ一斉に行うと効果的。
(5)黄色蛍光灯は、チャバネアオカメムシには忌避効果があるが、ほかのカメムシ類には効果
がないので注意する。
(6)防除薬剤は、香川県農薬情報システム内で香川県主要農作物病害虫・雑草防除指針採用農
薬を検索するか、香川県果樹研究同志会が発行している果樹病害虫防除暦等を参考にする。 (7)薬剤の特徴は、有機リン剤は即効性だが残効が短い。合成ピレスロイド剤は残効が長く殺虫効果だけでなく吸汁阻害効果があるが、天敵に影響を及ぼすため連用するとカイガラムシやハダニ類が急激に増加することがあるので注意する。
(8)作物によって、登録のある薬剤が異なるので、使用にあたってはラベルをよく読んで、登
録の有無や収穫前日数、使用回数等使用基準を遵守する。
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