ハダニ類など9月の防除対策を公表 東京都2021年8月27日
東京都病害虫防除所は8月27日、ハダニ類やハイマダラノメイガなどの防除対策を9月の防除のポイントとしてまとめ公表した。
ハイマダラノメイガ幼虫・ハイマダラノメイガ幼虫による食害(写真提供:東京都病害虫防除所)
主な病害虫の防除法は次のとおり。
<イチゴ>
○害虫
9月定植イチゴの栽培期間は翌年の5月頃までと長いため、害虫の発生が多いこの時期の管理が最も重要。栽培施設内外の圃場衛生管理を徹底し、健全な苗を定植する。
定植後に発生する害虫ではハダニ類の防除が重要。11月頃まで徹底的に防除することで、来春の発生が大幅に軽減される。また、ホコリダニ類はいったん発生すると防除が困難なため、効果の高い殺ダニ剤を防除体系に加えることも重要。
ダニ類以外の防除には施設サイドへの防虫ネットの展張が有効。さらに、黄色粘着トラップでアザミウマ類、アブラムシ類及びコナジラミ類等の
発生を監視し適期防除を心がけることで、農薬の散布回数を減らすことができる。また、在来天敵や生物農薬を有効に利用することで、ハダニ類やアザミウマ類等の密度を低く保つ。天敵を活用する際はこれらに影響が少ない剤を選ぶ。
○炭疽病
炭疽病は高温多湿により発生を助長される。定植をむかえるこの時期は、残暑に伴う高温とともに、台風や秋雨前線の影響で降雨が連続しやすくなるため、同病害の発生が多くなる。定植後に発生した場合、薬剤での防除が困難になるため、苗での持ち込みを防ぐことが肝要。定植前に苗をよく観察し、萎凋、葉上の黒色小斑点等、本病害の感染が疑われる苗はすみやかに取り除き、健全苗を定植するよう心がける。
<キャベツ、ブロッコリー等のアブラナ科野菜>
○害虫
この時期に最も注意しなければならない害虫はハイマダラノメイガ。生長点近くを食害されると、生育の停止や枯死等の致命的な被害が発生する。また、オオタバコガやネギアザミウマの被害にも注意が必要。
○細菌性病害
この時期に定植する作型では黒腐病、軟腐病等の細菌性病害が発生しやすくなる。これらの細菌は、強風雨による傷や昆虫の食害痕等から侵入するため、食葉性害虫の防除を徹底するとともに、台風や大雨の後は天候が回復次第、防除指針を参考に薬剤散布を行う。
<トマト>
○黄化葉巻病対策
この時期は黄化葉巻病対策が最も重要。収穫終了後、放置されたままの露地及び施設トマトで黄化葉巻病に感染した株が多く認められている。このような株は抑制及び促成長期どり栽培での感染源になるため、速やかに抜き取り、完全に枯死させてから廃棄する。施設の場合は、連続2日以上の晴天時に蒸し込みを行うことが、媒介虫であるタバココナジラミの施設外分散防止に効果的。
抑制と促成長期どり栽培では、タバココナジラミを入れない対策が重要。施設には近紫外線除去フィルム及び0.4mm目合い以下の防虫ネットの展
張が有効。さらに、黄色粘着トラップを設置して侵入個体を見張り、コナジラミが確認されたときはタバココナジラミバイオタイプQ成虫に効果が高い剤を散布する。
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