トルコギキョウ斑点病 県内で初確認 新潟県2021年8月30日
新潟県病害虫防除所は、トルコギキョウ斑点病を確認し、特殊報第2号を8月24日に発令した。
ほ場での発病状況(画像提供:新潟地域振興局農林振興部)
5月に、新潟県のトルコギキョウの施設栽培で、施設のハウス1棟(約200平方メートル)で葉にすす状の斑紋が認められた。新潟県農業総合研究所園芸研究センターで罹病葉を検鏡したところ、分生胞子の形態から「Pseudocercospora nepheroides」による、新潟県未発生の「トルコギキョウ斑点病」と診断された。同本病は2008年に福岡県で初確認され、7月20日現在、22県で確認されている。
発生初期では、下位葉に5~10ミリ程度の退緑斑紋が確認され、上位葉に進展。その後、退緑斑紋上で小黒点(分生子座)が多数形成され、灰色~黒色のすす状の病斑が生じる。このすす状病斑を顕微鏡で観察すると、分生胞子の形成が確認される。病斑は下位葉を中心に発生するが、まん延すると上位葉へと進展する。
品種により発病程度に差があり、他に比べ潜伏期間が長く発病が少ない品種が確認されている。また病徴には、「分生子が形成されずに退緑斑紋のまま」「すす状病斑ができるが退緑斑紋の部分が残っている」「退緑斑紋の範囲が全てすす病斑」の3タイプがあるが、品種によってこれらの発生する割合が異なるとの報告がある。
同病は、盛夏を除きほぼ年間を通じて発生し、特に春から秋の多湿条件下で多発する。生態や生活環についての詳細は不明だが、育苗中および本ぽで発生し、病斑上に形成される分生胞子により感染する。現在確認されている宿主植物は、トルコギキョウのみ。
防除対策は次のとおり。
(1)多湿条件下で発生が助長されるため、施設内の換気を十分に行う。
(2)発病葉は見つけ次第速やかに除去し、登録薬剤(表)で防除を行う。耐性菌の発生を防ぐため、
作用機構の異なる薬剤をローテーション散布する。
(3)発病が見られる株は二次伝染源となるため、発見次第ほ場外に持ち出し、土中深く埋める等、適切に処分する。
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