農地の現況確認を効率化 モバイルGIS「農地一筆調査支援システム」開発 農研機構2021年9月9日
農研機構は、市町村が行う農地の現況確認業務を効率化する「農地一筆調査支援システム」を開発。モバイルGISを用いた農地一筆調査支援システムで、PC上で構築したデータセットは、モバイルGISアプリと双方向で同期できる。農地の現況確認にモバイルGISアプリを活用すると、現場で行う一連の作業を効率的に実施できる。
農地一筆調査支援システムの概要
地理情報システム(GIS)は、地図情報と地図上の対象物の属性情報をPC上で取り扱うことができるため、様々な行政業務の効率化に寄与する。とりわけ、農地とその属性情報を取り扱う市町村農政業務は、GISの活用によりその効率化が大いに期待できるが、市町村農政業務における統合型GIS2)の普及率は26%にとどまっている。普及の阻害要因は、主に市町村の財務状況とされている。このほか、GIS活用のためのデータセットの構築が困難なことや、業務への具体的な利用手順が不明であることも普及の阻害要因と考えられる。
そこで、農研機構は、(株)イマジックデザインが開発したPC用GISソフト「VIMS3)」とタブレット用モバイルGISアプリ「iVIMS4)」を用いた比較的低価格で導入可能な新たな支援システムを構築。市町村農政業務への普及実証試験を行った。
iVIMSの機能例
具体的には、遊休農地や荒廃農地に関して農業委員会が担当する利用状況調査・荒廃農地調査における農地の現況確認業務に対応可能となるようにVIMSおよびiVIMSシステムの機能を強化。また、その運用体制を構築し、「農地一筆調査支援システム」として開発した。
「VIMS」は、イマジックデザインから販売され、「iVIMS」は無料で利用可能。同GISシステムを導入することで、市町村農政業務の効率化が期待できる。
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