モモ、スモモ、ウメにヨコバイ 県内で初めて確認 山口県2021年10月19日
山口県病害虫防除所は、ヨコバイの発生を県内で初めて確認。これを受け、10月15日に病害虫発生予察注意報第1号を発令した。
成虫(頭部に黒点あり)(写真提供:山口県病害虫防除所)
8月12日に、山陽小野田市の家庭果樹のモモに葉が白化する被害が認められ、被害葉の裏面にヨコバイの一種を確認。その後、宇部市、長門市、山口市でスモモ、ウメにも同様の被害とヨコバイ類が確認された。神戸植物防疫所に採集した成虫の同定を依頼したところ、山口県内では報告のないヨコバイ科の一種 Singapora shinshana(和名なし)であることが判明した。
白化被害葉(ウメ)写真提供:山口県病害虫防除所)
同種の発生は、日本国内では沖縄県で初めて確認され、近年では令和元年以降、和歌山県、徳島県、埼玉県、京都府、大阪府、岡山県、群馬県、滋賀県、香川県、栃木県の 11府県で、ウメ、モモなどで確認されている。
成虫、幼虫ともに葉を吸汁し、被害葉は白くカスリ状となり、食害が進行すると葉全体が白化し、落葉。被害葉の裏面には幼虫の脱皮殻が多量に付着する。成虫の体長は 3.0~3.5ミリ。体色は黄緑色、複眼は黒く、頭頂部に黒斑点がある。詳しい生態は不明だが、ウメ、モモ、スモモ、ナシ、リンゴ等のバラ科果樹のほか、ポプラなどに加害することが報告されている。
現在、適用のある農薬はない。同防除所は対策として、同種の発生と被害の早期発見に努め、被害が確認されたら速やかに寄生葉ごと除去し、園外に持ち出し適切に処分することを呼びかけている。
葉裏の脱皮殻(ウメ)(写真提供:山口県病害虫防除所)
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