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なしにサクセスキクイムシ 県南東部で発生 埼玉県2021年11月4日

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埼玉県病害虫防除所は、サクセスキクイムシの発生を県南東部で確認。これを受け、10月29日に病害虫発生予察特殊報第2号を発令した。

サクセスキクイムシの成虫 (写真提供:埼玉県病害虫防除所)サクセスキクイムシの成虫 (写真提供:埼玉県病害虫防除所)

8月下旬に、県南東部で、なしの果実に直径1ミリ程度の小さな穴を生じる被害が確認された。その内部から体長2ミリ程度の甲虫を採取し横浜植物防疫所に同定を依頼したところ、サクセスキクイムシであることが判明した。同種によるなし果実被害について栃木県、愛知県など7県で特殊報が発表されている。

雌成虫の体長は、2ミリ程度、細長い円筒形で、光沢のある黒褐色。年1~2回発生し成虫態で樹内越冬し、4~5月に脱出して樹勢の弱い衰弱した樹の枝幹に穿孔する。孔道は直径約0.7ミリで、そこから粉状の細かい木屑(フラス)を排出する。なしの果実への被害は、成虫が果実へ穿孔し被害果を生じる。被害果は日数の経過とともに穿孔部分を中心に腐敗し、一様に褐変する。寄主範囲は広く、各種針葉樹、広葉樹に寄生する。果樹類では、なし、りんご、もも、かき、くり、キウイフルーツの枝幹部への穿孔被害が確認されている。

果実への穿孔(なしのていあ部)(写真提供:埼玉県病害虫防除所)果実への穿孔(なしのていあ部)(写真提供:埼玉県病害虫防除所)

同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。

〇樹勢の衰えた樹は加害されやすいため、適正な肥培管理等により樹勢の維持、回復に努める。

〇衰弱の激しい樹は伐採し、せん定した枝幹も含めて適切に処分する。

〇被害果を確認した場合は、周辺の幹枝でも穿孔被害が発生している可能性が高いので、木屑(フラス)を目印にして被害樹がないかよく園内を観察する。

〇被害樹を確認した場合は薬剤による防除を行う。果実への穿孔(なしのていあ部)(写真提供:埼玉県病害虫防除所)

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