サツマイモ基腐病 県内で確認 長野県2021年11月4日
長野県病害虫防除所は、サツマイモ基腐病の発生を県南部で確認。これを受け、10月29日に病害虫発生予察特殊報第2号を発令した。
7月に県南部のさつまいも栽培ほ場で茎葉の枯死が見られ、株元地際の茎が黒変した株が確認された。長野県野菜花き試験場で病原菌の分離、病原性確認および分離菌の遺伝子解析を行ったところ、サツマイモ基腐病であることが確認された。同病は2018年に沖縄県で初めて確認され、10月7日現在、21 都道県で確認されている。
発生初期では、黄化して生育が不良となる。その後、株元地際部の茎の部分が暗褐色または黒色に変色し、症状が進行すると茎葉が枯死、塊根の腐敗が見られる。発病株には多数の黒い粒状の柄子殻が形成され、雨水等により内部から大量の分生子が飛び散る。
分生子は風雨やほ場の停滞水により、周辺の株に感染する。病原菌は糸状菌の一種で、宿主作物はヒルガオ科植物のみ(主にかんしょ)。病原菌は植物残渣上で越冬し、翌年の伝染源となる。塊根は収穫時に無病徴でも、収穫後の貯蔵中に発病することがある。
分生子(写真提供:野菜花き試験場)
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇排水不良は発病を助長するので、植付前に排水対策を行う。
〇植付前には表1を参照し、ほ場の土壌消毒を行う。
〇未消毒の苗は表1を参照し、防除する。
〇発病株(茎葉や塊根)は速やかに抜き取り、肥料袋等に入れ、ほ場外に持ち出し適切に処分する。
〇発病株の除去後に、周辺株への感染予防のため表1を参照して防除する。
〇同病が発生したほ場は、翌年のさつまいも栽培は避け、ヒルガオ科以外の作物を輪作する。
〇発生したほ場で使用した農機具、資材等は、洗浄及び逆性石鹸等で消毒を行う。
〇詳細な防除対策は、生研支援センターイノベーション創出強化研究推進事(01020C)「サツマイモ基腐病の発生生態と防除対策」 (令和2年度版)を参照。
(表1)サツマイモ基腐病に使用できる殺菌剤一覧
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】モモほ場で「モモ果実赤点病」県内で初めて確認 愛知県2024年12月27日
-
【特殊報】ブドウにシタベニハゴロモ 県内の果樹園地で初めて確認 富山県2024年12月27日
-
【注意報】かぼちゃにアブラムシ類 八重山地域で多発 沖縄県2024年12月27日
-
米輸入めぐるウルグアイ・ラウンド(UR)交渉 過度な秘密主義に閣僚も「恥」 1993年外交文書公開2024年12月27日
-
1月の野菜生育状況 さといも以外の価格 平年を上回る見込み 農水省2024年12月27日
-
(416)「温故知新」【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年12月27日
-
東京23区の12月の消費者物価 生鮮食品の前年同月比は2桁増2024年12月27日
-
JA全農あきたがスマート農業研修会 農機・担い手合同は初2024年12月27日
-
【農協時論】石破新政権へ期待と懸念 地方創生自任し民主的な議論を 今尾和實・協同組合懇話会代表委員2024年12月27日
-
ブランドかんきつ「大将季」登場 銀座三越で「鹿児島の実り」開催 JA全農2024年12月27日
-
「鹿児島県産 和牛とお米のフェア」東京・大阪の飲食店舗で開催 JA全農2024年12月27日
-
【世界の食料・協同組合は今】化石補助金に対する問題意識(1)循環型社会 日本が先導を 農中総研・藤島義之氏2024年12月27日
-
【世界の食料・協同組合は今】化石補助金に対する問題意識(2)化石資源補助削減が急務に 農中総研・藤島義之氏2024年12月27日
-
【人事異動】日本農産工業(2025年4月1日付)2024年12月27日
-
TNFDを始める企業必見 農林中金・農中総研と共同セミナー開催 八千代エンジニヤリング2024年12月27日
-
「産直白書2024年版」刊行 記録的な猛暑で農業の難しさが顕著に 農業総研2024年12月27日
-
農林中金 医療メーカーのニプロとソーシャル・ローン契約 10団体とシンジケート団2024年12月27日
-
協同組合振興研究議員連盟に国会決議を要請 IYC全国実行委員会2024年12月27日
-
2025国際協同組合年全国実行委員会がSNSで情報発信2024年12月27日
-
インターナルカーボンプライシング導入 井関農機2024年12月27日